ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File047】記念連続ドラマ第三夜「プライベート・ライアンとヌーヴィルの雨」 後編
ドイツ軍の狙撃を警戒しながら、部隊は町の中央広場に到着した・・・もう昼近い。雨は何時の間にか止んでいた・・・「散開して警戒しろ・・・」まるで開拓時代の幌馬車隊の様に、各車両が円陣を組み防御体制を敷く。ミラー大尉はジープに搭載した無線機の受話器を取ると、送信ボタンを押した「レッド・リバー2・・・レッド・リバー2、こちらレッド・リバー6・・・どうぞ」「レッド・リバー6、こちらレッド・リバー2、感度良好、ただ今絶好のコンディション(意味不明)」「ヌーヴィルに到着・・・敵の抵抗なし・・・捜索を続行する」「了解、レッド・リバー6、次の定時報告は○○時・・・以上」ミラー大尉が通信を終わり受話器を戻しかけた、その時、無線機が吹き飛んだ・・・パーン、銃声は後からやって来た。「狙撃兵だッ、伏せろ〜ッ」ミラー大尉が叫ぶ・・・。一同は建物や車両の陰に隠れる。「何処から撃って来た・・・?」全員が周囲を見回す。その時一人の女の子がフラフラと広場の中に歩いて来た・・・「危ない〜ッ」大男のカパーゾが物陰から駆け出すと少女に走り寄った。その時、再び銃声が・・・カパーゾは既に倒れていた。「あの教会の塔だ!」ミラー大尉が指差す。ジャクソンは自慢の狙撃スコープを微調整すると、塔を見通せる位置を確保した。「みんな顔を出すな〜ッ、相手は腕がいいぞ・・・」緊張した静寂が続く。ジャクソンは慎重に風向きを読む・・・「左の風、二目盛り修正。距離400m・・・カパーゾ、動くんじゃないぞ、頭を下げてろ・・・主よ、我れ汝を・・・」発射・・・教会の塔の上からドイツの狙撃兵の体が転げ落ちる・・・やれやれ終わった、誰もがそう思った次の瞬間、教会の塔の窓という窓からドイツ軍の機銃が一斉射撃を始めた・・・一同は再び釘付けになった。「くそたっれ、なんとかならんのか?」ミラー大尉が呟く・・・と同時に、ズドーンッ!という砲撃音が・・・途端に教会の塔が崩れ落ちドイツ軍の射撃は沈黙した。「お待たせしました、大尉殿。デートの待ち合わせにゃ早すぎちまったですかい・・・」戦車の砲塔のハッチから身を乗り出したガフィ軍曹が、葉巻を一服大きく吸い込んだ。「ヤレヤレ、これじゃ歳とるわッ」ホーバス軍曹が軍服についた汚れを払いながら立ち上がった・・・「長生きするさッ」ミラー大尉は雨の止んだ空を見上げた。その時、広場の反対側から米軍空挺隊の一隊が走り寄って来た。「101空挺のハミル大尉だ」先頭の将校が手を差し出した。「第2レンジャー大隊のミラー大尉」ミラー大尉も手を差し出し、二人は暫し見つめ合い#Mい握手を交わした(再び画面上には薔薇≠フ華が・・・爆)。「待望の援軍か、道中はどうだった?」ハミル大尉が尋ねる。「散々だよ、戦死者も出ちまった。申し訳ないが我々は援軍じゃない(コレばっかし!)」ミラー大尉はカパーゾの遺体を見つめた。「だから子供は・・・いかんのだ」ウェイドがカパーゾの体に毛布を被せてやった。何時の間にか女の子は、いなくなっていた・・・きっと追いかけてきた両親が連れ戻していったのだろう。「ホーバス軍曹、弾薬をチェックしろ」ミラー大尉は、カパーゾの認識票を千切る。「くそッライアンめ・・・」ライベンが地面に唾を吐いた・・・。「ジェームズ・ライアンという二等兵を探してるんだ」「ライアン・・・だって・・・」ハミル大尉が聞きなおし・・・近くにいた部下に問うた「少尉、確か第1小隊にライアンってヤツがいたよなぁ・・・ヤツのファーストネームは何だった・・・?」「ああ、あの小説家志望≠フ・・・え〜と確かコーネリアス≠カゃなかったすかねぇ〜。姉貴の名前はメグ≠セったような?」「って事だ、我が隊にはお探しのライアンはいないようだ・・・」「506のB中隊を知らないか?」「確か足を折ってたヤツが506だったが・・・でもC中隊だ」「ソイツに会わせてくれないか」「了解、こっちだ。ところで捕虜のドイツ将校がいるんだが、部下にドイツ語が喋れるヤツがいないんだ・・・」「部下のアパムが喋れる、自由に使ってくれ」「有り難い、助かる」負傷したC中隊員から506空挺大隊の降下集合地点は聞き出せたが、未だライアン二等兵の消息は不明・・・ガフィ軍曹の戦車三両も合流し、取り合えず役者は揃った・・・。

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06月30日(日)
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