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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File075】LAST STAND・・・アラ、モ〜ッ忘れたの!¢ス勢に無勢【中編Vol.1】
さて、この「アラモ」は言わずと知れたミスターアメリカ<Wョン・ウェインが長年映画化を望んでいて、当時の額で破格の1200万ドルの私財を投げ打ち製作(監督・主演の三役)した作品です。まぁ入れ込み過ぎて前半部の演出はちょっと・・・って感じもしないではないですが。もうちょっとトラヴィス、ブウイ、クロケットの非常に個性の強い三指揮官が互いに反目し合いながらも、テキサス独立という目標遂行の為に協力しながら共に死んで行くストーリーに主眼を置いて演出していてくれればよかったのに・・・。愛国者ジョン・ウェインのお約束通りアメリカ=正義≠ェテーマな作品になってしまってる訳なんですが、本国アメリカでの公開時の評判は予想に反して余り良くなく、興行的には全く振いませんでした。しかし、その判官贔屓なストーリー(滅びの美学ってヤツ・・・一種の忠臣蔵≠ナすな。そう言えば作品中で少年義勇兵をメキシコ軍の総攻撃前夜に最後の伝令として砦から逃がすシーンや奴隷の一人が最後を共にするシーンなど忠臣蔵の寺坂吉右門衛門のエピソードに通じるものがありますな)が日本人の涙腺を大いに緩ませ、日本公開は大成功・・・お陰でジョン・ウェインの借金が大いに減ったそうです。そう言えばジョン・ウェインの三番目の奥さん(1954年結婚)は、この「アラモ」にも出演していたペルー出身の女優ピラー・パレットですな!なんか大脱走≠フブロンソンみたいだなぁ。息子や娘まで出演させてるし・・・。テキサス州ブランケットビルの北のシャハン牧場に再現されたアラモ砦≠フセットは、総勢400名にも及ぶ日干し煉瓦職人や労働者によって突貫工事ながら細部に渡って史料に忠実に再現されたそうですが、撮影の進行と共に惜しみなく(忠実に)破壊されましたが、撮影終了後修復されレジャー施設ALAMO VILLAGE≠ニして、今や本物のアラモの遺跡と共に、テキサスの主要な観光名所となっているそうです。まあ日本で言えば京都の太秦映画村か日光江戸村ってところでしょうか・・・ね。
あと「アラモ」で忘れられないのが、その音楽・・・因みに1961年2月(ATFが生まれる前です)の日本国内洋楽ヒットチャートは、以下の通りでした。
@遥かなるアラモ(THE GREEN LEAVES OF SUMMER)/ブラザーズ・フォア
AG・Iブルース/エルヴィス・プレスリー
Bアラスカ魂/ジョニー・ホートン
C悲しき少年兵/ジョニー・ディアフィールド
Dユール・ネバー・ノウ/ザ・プラターズ
E日曜はいやよ/ヘルムート・ツァハリアス
F遥かなるアラモ/ネルソン・リドル楽団
Gグリーンフィールズ/ブラザーズ・フォア
H君こそすべて/ニール・セダカ
Iアー・ユー・ロンサム・トゥナイト/エルヴィス・プレスリー
なんとTOP10にアラモ≠フ主題歌「遥かなるアラモ(THE GREEN LEAVES OF SUMMER)」が2曲もランクインしてたんですね。メキシコ軍の総攻撃の前夜、アラモ守備隊の面々が故郷に想いを馳せる場面で流れる、あの曲です。@の方の映画主題歌は“ブラフォー”ことブラザーズ・フォア(前年にGにランクインしているグリーンフィールズ≠ェ大ヒットした人気グループ)が歌ったシングル・カット。彼らのその素朴な歌声が堪りません。Fの方の曲は映画のサントラ曲で、ネルソン・リドルのトランペットが泣かせてくれます。@の映画主題歌版遥かなるアラモ≠フカップリング曲は、同じく大ヒットした「アラモの歌(THE BALLAD OF ALAMO」 これまたマーティ・ロビンスの歌声が泣かせてくれます。また戦闘シーンで流れる「皆殺しの歌(DE GUELLO)」・・・アレレ・・・どっかで聴いた事が・・・そうです「アラモ」の前年に公開された、同じくジョン・ウェイン主演のウェスタンの傑作「リオ・ブラボー」で流れていた、あの曲(演奏は同じくネルソン・リドル楽団)です。それと当時アメリカンポップスの人気歌手だったフランキー・アヴァロンが歌う「テネシー・ベイブ(子守歌)」・・・日本のみでしかヒットしなかった曲ですが、心底ジ〜ンとさせられる曲です。

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02月13日(木)
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