ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File037】Raise the WarBirds・・・戦う翼たちの戦後A
作戦や戦闘、用務における損害についてのオペレーション・リサーチの仕組みが高度に発達した米軍においては、戦訓として後世に活かす為、細かな調査が行われています。そんな訳で戦時中、喪失した兵器の記録が結構細かに残っているのです。特に軍艦や航空機について何時、何処で、どのような原因で失われたか・・・が。撃墜・撃破され木っ端微塵になっちゃどうにもなりませんが、エンジン不調で不時着したりして、乗員は無事だが、機体の回収は不能で放棄された、なんて機体のなんと多いことか。特に極地に近い地域では、高温多湿の南太平洋の地域と異なり、比較的条件さえ良ければ機体が腐食せずに残っている可能性が高いのです。事実1947年グリーンランドに天候不良の為不時着した米軍のB29偵察型F13タイプの一機が、1995年の時点でほぼ飛行可能な強度を保持した機体の状態で残存していました(ウォーバード・ハンターたちの手により飛行寸前の状態だったが、些細なアクシデントの為に失敗・炎上喪失してしまいました・・・まったくもって残念な限り)。と言う訳で、トレジャーハンターたちの本当の意味での宝探しの物語が始まります・・・カナダやアラスカ、グリーンランド、北大西洋、北海、北極地域の湖沼、森林、氷河、海底、雪原の中に眠る戦う翼たち≠サの幾つかは、莫大な費用と資材、人材が投入され、回収に成功し、掛かった回収経費以上の利益を生み出しています。完全な形でなくても良いのです。現在世界各地で行われている機体の復元に一部の部品を提供できるだけでも、莫大な利益が生まれます。それでも部品を再生するよりは手間も閑も、ましてや経費さえも安く尽くのですから・・・。それら部品によって、また一機飛行可能な戦う翼≠ェ甦り、戦争映画の画面狭しと活躍してくれる訳です。そう言えば以前、某巨大掲示板●chのミリタリー関連のカキコミで「裏山に墜落したグラマンがあるんですけど・・・」ってなスレッドが立って、ミリタリーマニアたちの物議を醸した事がありました。事実なら結構なお宝じゃん・・・と思ったら大間違い。米軍・・・ていうか米海軍なんですが、建国以来米国海軍に所属した艦船や航空機については、例え沈没・墜落して行方不明であっても、全てについて所有権を主張しています。うっかり発見して屑鉄として売っぱらったりしたら、もう大変。忽ち裁判沙汰・・・莫大な賠償を払わされる可能性大ですから、皆さんも例え墜落したグラマンやコルセアを発見しても黙って売っ払ったりせず、ちゃんと届け出ましょう(爆)米陸軍(及び空軍)は、そこまで五月蝿くないみたいなのでB29とかP51、P47なんかだったら見つけて回収する許可は出易いみたいですよ・・・ただ現地の政府とかがOKすればですけど・・・ミクロネシアのように、太平洋戦争の遺物の移動や破壊を法律で禁止して観光スポットにしている国もあるのでご注意を・・・。そう言えば、最近(って言っても結構以前だと思うが)連合艦隊司令長官山本五十六大将が最後に搭乗していた一式陸攻の翼かなんかの機体の一部が日本に還ってきてたなぁ・・・。期間限定で許可されたんだろうか・・・?

未だ世界各地に眠る戦う翼たち″q空機や戦争映画ファンとしては、その雄姿を一機でも多く見たいのは山々ですが、反面、そのままの姿でソッとしといてあげたいって気持ちもありますな〜。その場所にあること自体がメモリアルなんですから・・・。さて次回は生きた戦う翼たち≠フ保存に尽力される方々のお話と、そのお陰で戦争映画に登場する珍しい戦う翼たち≠フお話をしようと思います。乞う御期待!今回の記事も、一部を文春文庫刊「幻の大戦機を探せ」K・ホフマン著 北澤和彦訳を基にしています。【本当の意味で続く】
【訂正】20020414一部不適切な表現を修正しました・・・。
    20020421「火消しになった戦う翼たち」を一部修正しました。

04月14日(日)
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