ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
[455606hit]
■【File006】最終章「お金をかければ良いってもんじゃない・・・」
超大作に比べて、映画としての規模自体は小さくなっていると言えると思います。明確ではありませんが「超大作」が戦争全般や戦史に残る大きな戦いをモチーフにして、多くのエピソードを繋ぎ合わせて制作されているモノが多いのに対し「大作」と言われる作品には、大きな戦いの中での個人・小部隊のエピソードを中心に掘り下げて描いているモノが多いのではないでしょうか。ひとつのエピソードに経費やスタッフを投入する訳ですから、その分、良い条件での制作・撮影による内容の濃い作品、丁寧に作られた作品が多くなる訳です。戦車一両でも戦闘機一機でも潜水艦一隻でもよい訳ですな。実際に戦争映画ファンの選んだベスト作品の上位を多く占めています。ただお金をばら撒くのではなく、肝心なところで使えば良い作品が出来上がる、と言うのを証明したような作品が多いじゃないですか・・・。「SPR」なんか、そういう風に考えれば「超大作」っていうよりは「大作」なんですよ。名作に多くを語る必要なし・・・。
【名作の定義は何】
戦争映画の名作ってのはなんでしょう。一般的に言えば「鉄と血のぶつかりあう戦闘・作戦が良く描かれている」「登場する人物(軍人)社会(軍隊)時代背景や兵器の考証が正確である」「戦争によって左右される人生、苦悩する人間像が良く描かれている」「戦争の不合理性、非条理性、非道徳性が良く描かれている」「映画としてのエンターテインメント性に優れている」というような点が上げられると思いますが、全てを兼ね備えた作品ってのは観たことがありません。いやあるんでしょうが、まだ悟れてない私ATFには「これ」ってのがわかりません。アカデミー賞など世界の冠たる映画賞を受賞した作品でしょうか。多くの観客がラストシーンで思わず涙した作品でしょうか。観終わった後の興奮冷め遣らぬ作品でしょうか。たぶん名作といわれる作品は「戦争映画」としてだけでなく「映画」としても名作であろう、と思われます。でもやはり戦争映画ファンの皆さんには、どうしても譲れない「私にとっての名作」ってのがあるんじゃないでしょうか。と言う訳で答えは「戦争映画の名作と言うことができる作品は、戦争映画ファンそれぞれの胸の内にある」としておきましょう。
【戦争映画にB級C級はあっても駄作なし】
ごく普通の感性を持って観た場合に、どうしても観るに耐えない作品があったとしたら、それを「駄作」と言えるでしょうか。戦争映画は「人殺しを描いた映画」ですから、中には観るに耐えないシーンがある作品もあります。思わず目を背けてしまうようなシーン。でもそれは本当の戦争・戦場においては日常茶飯事なシーンなのです。私ATFは表題の如く「戦争映画には駄作はない」と思っております(AVにはある(爆)レンタルの金返せと思った作品が多々あるから)どんな作品であろうと、どこか見所がある・・・登場する俳優・兵器・軍服・軍装品・舞台となる戦場・・・確かに設定のおかしな作品はありますが、娯楽作品として観れば良い訳で、そう言う観点からすると、逆に見所が豊富にある訳です。「戦車バタリオン」や「シベリア超特急」など殆んど全編「スタジオ撮り」の作品もあれば「ゲシュタポ女囚収容所」なんてエログロの極みみたいな作品もある。「君を忘れない」のように「キムタクみたいなポニーテールの搭乗員がいるわきゃね〜だろ〜ッ」ってな作品もある。イタリア製低予算戦争映画、俗に言う「マカロニ・コンバット」の中にも、結構手の混んだ作品もありますし、戦車がワンサカ出てくる「おお〜ッ」と叫びたくなるような作品もあります。それらの作品の個々の場面の中に戦争映画の醍醐味が溢れているのです。低予算で制作された作品に「なんでこんな戦車が登場してるの?」とか「すげ〜軍服着てるな〜ッ!」とか「おお、こんな作品にでてるのか、この俳優は」なんて楽しみが一杯な訳です。映画が誕生して100年ちょっとですが、その中で制作された「戦争映画」に分類される作品の殆んど大部分が、俗にB級C級(中にはD級ってのも)の作品です。殆んどの作品が日本の戦争映画ファンの目に触れた事もないような作品ばかりですが「極めれば、そこに道が開ける」そこには意外なアッと驚く「B級C級戦争映画ワールド」があるんですよ、お客さん。
[5]続きを読む
11月01日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る