ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File049】記念連続ドラマ第五夜「プライベート・ライアンとラメルの橋」後編
突然、町の北側で戦闘が始まった・・・「何てこった・・・おっ始まりやがった・・・」ガフィ軍曹が双眼鏡を覗きながら叫んだ。「味方がいるんだ・・・きっとライアンもあそこに・・・でも、もう生きちゃいないかもなぁ・・・」傍らでガムを噛みながらメリッシュが呟いた。ミラー大尉も双眼鏡で町の戦闘の様子を暫し見つめていたが、おもむろに振り返り叫んだ。「行くぞ・・・全員乗車!・・・ホーバス軍曹は105mm砲で待機ッ。俺が合図したら派手にぶっ放せ!ガフィ軍曹、お前たちは如何する・・・?」「戦車ってのは野戦向きなんでね・・・あの豹$車の野郎を街中の路地にでも引っ張りこんで動きを鈍めてくれりゃ、後は俺等で何とかしまさぁ」「了解、何とかしよう・・・」「あのう、僕も行きます・・・」珍しくアパム伍長が進み出て言った・・・ミラー大尉は暫しアパム伍長を見つめていた・・・「よし、俺と一緒に来い・・・」「ありがとうございます・・・」アパム伍長はニッコリと微笑んだ・・・。「俺も連れて行って下さい。邪魔にはなりませんから・・・」特派員のギャロウェイも進み出て言った「決定的瞬間が撮れそうだし・・・」「死ぬかもしれんぞ?」「大丈夫、これでも北アフリカで弾の下潜ってますから・・・」ギャロウェイは微笑みながら、カメラをミラー大尉に向けた「勝手にするさ」手でカメラのレンズを遮り、ミラー大尉はもう一度双眼鏡で町の様子を確かめ、そしてジープに乗り込んだ・・・。武装ジープ2台(・・・乗車のメンツは前述参照・・・そうそうアパム伍長を追加)は、すぐさま崖のくねった道を走り下りると、ラメルの町に通じる石橋を渡り始めた・・・その時、一行に対し銃撃が始まった・・・まだ敵か味方かは分からない・・・「やばいですぜ・・・!」50口径機銃を構えながらライベンが叫んだ・・・「未だ撃つんじゃないぞーッ」ジープを巧みに操りながらミラー大尉が叫ぶ。銃撃は散発的だった。アパム伍長がジープの助手席で立ち上がると、懐から何かを取り出した・・・それは・・・星条旗だった。両手一杯に旗を素早く広げると大きく翳した・・・「バカ野郎・・・危ねえーじゃね〜か!」ライベンがアパム伍長の肩に手を伸ばし、無理やり助手席に座らせた・・・途端に銃撃が止んだ・・・「しめた、味方だ・・・」ミラー大尉は、ジープを増速し、町の中へと滑り込む。その後に続くハーフトラック、M8グレイハウンド、そしてガフィ軍曹の戦車。敵砲撃が続く中、ミラー大尉は町の中央広場に面した教会前にジープを止めた。「メリッシュ、掃除機(スカイクリーナー)を、あの城館に設置して射界を確保しろ・・・アパムも行け・・・」町の東側に聳える城館を指差し、ミラー大尉が叫んだ・・・「了解、・・・いくぞ、アパム・・・」メリッシュが50口径機銃4連装ターレットを搭載したハーフトラックの操縦席に乗り込み発進させる。アパムは、走り始めたハーフトラックの後部乗降扉から、慌てて飛び乗った。ミラー大尉の周りには101空挺隊員たちが集まってきた。「ジャクソン、教会の塔に上がって状況を報告しろ・・・。」「了解・・・」狙撃銃を手に取ると、ジャクソンは教会の中に駆け込んで行った・・・。一人の空挺隊員がミラー大尉の前に立って敬礼する「501空挺隊のヘンダーソン伍長です・・・よく来てくれました」「第2レンジャーのミラー大尉だ。伍長、ここの指揮官は・・・?」「今は伍長で我慢して下さい」「そうか!伍長、ここにライアンという二等兵はいないか・・・ミネソタ出身のジェームズ・フランシス・ライアンだ・・・」「ええ、ライアンならここに、でもヤツがどうかしたんですか・・・」「詳しい事は後だ。直ぐに此処へ連れてきてくれ・・・」武装親衛隊との銃撃音が段々近づいてくる・・・「すみません、大尉。ライアンは今動かせないんです。」「どうかしたのか・・・」「敵の砲撃で脚を負傷して・・・教会の地下室にいます。こっちです」ヘンダーソン伍長が教会の中へと先導する。その後に続きながらミラー大尉はライベンに向かっていった「橋の爆破を準備しろ・・・」その時、ガフィ軍曹の戦車が広場へと到着・・・戦車兵たちは、我先に戦車から飛び降りると、目をギラつかせ、M3グリースガンを手に、町の方々へと散らばって行った・・・「ちッ、まずいな、こりゃマジでヤバイぜ・・・」砲塔の上に仁王立ちになってタバコを吹かすガフィ軍曹・・・。

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07月18日(木)
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