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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File037】Raise the WarBirds・・・戦う翼たちの戦後A
二次戦後、時を経るに連れ人々の悲惨な戦争体験も思い出の彼方へと過ぎ去って行きますが、思い出を忘れないように各地に記念碑や記念館が作られる様になるのですが、やっぱ目玉となる記念品・・・遺物がないと箔が付かないじゃん。軍艦は置けないし、戦車はちょっと泥臭い(戦車マニアの方すんません、お気を悪くなされないで)やっぱカッコイイ戦闘機や爆撃機が良いな〜ッ。そんな訳で一部の人たちが気が付く訳です「あんなにあった二次戦の軍用機が全然残って無いじゃないか・・・」と。そうなると残った僅かな機体が争奪の対象となり高額な価格のコレクターズ・アイテムと化すのです。昔スクラップ屋の裏庭に屑鉄として積み上げられていた戦闘機や爆撃機が、今じゃ宝石よりも価値のある代物に・・・。そこで登場するのがトレジャー・・・ウォーバード・ハンターたち。僅かに残った二次戦の軍用機を探し出すプロフェッショナル。多くは自身がパイロットだったりするのですが、各地の軍や公共機関の倉庫で埃を被っていたり、コレクターがこっそり持ってる機体や部品を探し出して買い取り、必要としているトコへ持って行って売る・・・その差額で利益を得たり、或いは物々交換で別の機体を手に入れたり・・・嘗て「空軍大戦略」が製作された時、流石英国人は物持ちが良くスピットファイアーやホーカーハリケーンの飛行可能機が多数残存していたのですが、対する独軍機(ハインケル爆撃機やメッサーシュミット戦闘機)は皆無状態。この時、プロデューサーに依頼されたエージェント(まあ一種のウォーバード・ハンターだよな)が同機をライセンス生産(エンジンをメンテし易い空冷イスパノエンジンに換装)使用していたスペイン空軍から買い取ったのは有名な話(この時の売却利益でスペイン空軍はジェット戦闘機を購入し近代化を果たしたとか)です。その後、これらの機体は博物館やコレクターに売買されたそうですが・・・。でも元来数が少ない訳ですから、あっという間に需要に供給が追いつかなくなる。となると、作るしかないのか・・・しかし大規模生産を行うからこそネジや部品のコストを下げる事が可能、一個数セントの部品を手作業で作ったりすると数百ドルの経費が・・・一機分の部品となると想像を絶する経費が・・・って事になります。設計図通りに全く同じ機体を作ろうとすれば、基本的には設計図通りの部品が必要になるのは物事の道理。代用品を使うほど、完全なるレプリカから遠ざかる・・・価値が下がる・・・訳です。戦争映画には、実際に飛行できないレプリカの機体が登場します。大道具さんたちのご苦労により外見はよく出来ています。でも中身が無い・・・それでも、あの高倉健さん主演(ATFも劇場で泣いた)「ホタル」の回想シーンに登場した四式戦なんか数千万円の経費が掛かっているそうです。燃やしちゃうんですけどね・・・。もったいね〜ッ。もはやレプリカもバカにはならない。本物であれば尚更です。例え機体の一部だけでも手に入るなら、幾らでも金を払うと言うお客は居るのに、市場には商品が無い・・・こんな儲け話が転がっているのに・・・ネ。
【最早残って無いのなら、墜落したヤツを探しだせ・・・】
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04月14日(日)
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