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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File026】酒と涙と戦さと映画・・・ナ≠ッる戦争映画Vol.2
この作品を知ったのは、そんな昔ではなく遂昨年の事であります。戦争映画サイトCOI≠フ掲示板で某常連さんが熱心に書き込まれていた作品です。ドンパチ系の戦争映画ではなく銃後系の作品。ユダヤ人問題が関わってます。この「離愁」ってタイトルの作品は検索すると2作品ヒットしますが1946年版のオーソン・ウェルズ主演作品ではなく1973年版の作品です。主演は「男と女」等で仏映画を代表するジャン=ルイ・トランティニャンと戦争映画ファンの中でも人気が高いロミー・シュナイダーであります。第二次大戦初頭のフランス、ナチの追求を逃れるユダヤ人女性とフランス人無線技師?が避難列車の中で出会う。非難民でごった返す列車内で芽生える行きずりの男と女の束の間で、そして切ない、絶望的な愛・・・。男の家族の事を考え、男の下を去る女。そして時は流れ・・・再び二人が出会ったのは秘密警察内の一室。反ナチ活動犯として捕らえられた女との関係を問い詰められる男。たいした証拠は無く言い逃れは可能な状況。そこへ連れてこられる女。拷問に遭ったと想像できる疲労困憊の顔。女の表情からは、男にこのまま黙って立ち去ってくれる事を訴えているのが読み取れる。やがて尋問が終わり釈放されるべく部屋を連れ出される男。そしてその時・・・悲劇の中で結ばれる愛。私ATFは、手を差し伸べる勇気はありません・・・泣。是非観ていただきたい、極上の人間ドラマです。

【追想】
1975年製作の名作フランス映画。前述と同じくロミー・シュナイダーが出演。ビデオのサブタイトルは「愛と復讐と男の戦い」って凄いのがついてます。原題は「The Old Gun」たぶん主人公が復讐に使う古いショットガンのことかと・・・。物語はドイツ占領下のフランス。でも連合軍のノルマンディ侵攻後のようですが・・・。独占領下ながら家族(妻と娘)と共に幸せに暮らす主人公医師、演じるはフィリップ・ノワレ。戦局の悪化に伴い、故郷の城館に妻と娘を疎開させるのですが・・・そして起こる悲劇。戦線の再編成の為、撤退する独軍。主要幹線道路が見渡せる丘の上に聳える主人公の家族が待つ城館へ偵察にやって来る独武装親衛隊「ダス・ライヒ」の小部隊。暴行を働く独兵から逃げる妻。その後に起こる悲劇は皆さんご存知の通り。火を噴くサブマシンガンと火炎放射器・・・送れて到着した主人公の目に映ったものは・・・。復讐が始まります。子供の頃から慣れ親しみ、勝手知ったる城館。抜け道、隠し扉やマジックミラーを駆使して、一人また一人と殺されていく独兵たち。独兵たちが見つけたフィルムには、幸せだった頃の家族の姿、美しい妻、愛しい娘・・・マジックミラーの影で、それを見つめる主人公。もうATFも涙止まらない目で、主人公と共にフィルムを見つめているのでした・・・。復讐が終わり、城から出てきた主人公の横を過ぎて行く、解放されて戻ってきた村人たち・・・。歴史は何時の世もちょっぴりの喜劇と、その他たくさんの悲劇・・・なり。

【ホタル】
久しぶりの映画館まで観(泣き)にいった映画です。あの「鉄道員=ぽっぽや」の演技で日本中を泣かせた高倉健と田中裕子主演。戦争の影を背負いながら、共に助け合ってひっそりと戦後を生きつづける元特攻隊員の主人公=漁師と特攻隊員の許婚だった女=妻。「特攻の母」と呼ばれた女性や朝鮮出身特攻隊員のエピソードを絡め、戦争とは、生とは、愛とは、死とは、故郷とは何かを問いかけます。漁船の上でハモニカを吹く主人公。そして、それを見つめる妻。様々な想いが錯綜し、男は遂に永年胸に秘めた想いを遂げる為、元上官の出身地である韓国の地方都市へと向かいます。最初は拒絶されながらも、やがて受け入れられる男と女。「死んだらホタルになって戻ってきます」と最後に言い残し、故郷の歌を歌って出撃して行った特攻隊員。都内某所の広い映画館の平日上映で、周りの観客が少ないのを幸いに、ハンカチ片手に、真っ赤な目でスクリーンを見つめているATFの姿・・・。ラストシーン。漁に使う漁船を新造した為、今まで共に生きてきた古い船に火を放ちます。しかし、その場面には女=妻の姿はありません。観終わって、映画館を出たATFの頭上には50数年前と変らず夜空に輝く星々の輝きがありました・・・。

【最後の弾丸】

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01月31日(木)
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