ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File013】A TANK NAMED LULUBELLEルルベル≠ニいう名の戦車
囚人戦車隊=懲罰戦車隊≠チて想像に違わず、マイナー作品ながらこれほど興奮させてくれた作品はなかったですよ。オープニングで登場するソノモノT55戦車はともかく、中盤の独軍役SU100対ロシア軍T34/85の戦車戦シーンは数ある戦争映画の中でも屈指の出来だと思うのでありますが、戦争映画ファン諸氏のご感想はいかがなモンでしょうか。かのSU100自走砲は四号駆逐戦車ってとこでしょうか。100mm砲が重そうでSU85の方が良いのでは・・・どうせなら車体後部エンジン部分まで鉄板で覆ってソレらしく改造してくれてたら、もっと良かったんですがね。政治犯、窃盗常習親爺、情緒不安定暴力大男、近親相姦小僧、外人部隊出身&イスラム教徒の重婚兄ちゃんなど一癖どころか三癖も五癖もある連中の集まり。その上の上官がデイビィッド・キャラダインとオリバー・リードってとこが凄い。戦車戦以外の見所は夜間立哨中に上官とすれ違うとこでタバコ飲み込むシーン。それといかにもその辺の野良犬って雰囲気のロシア軍の地雷犬スターリンスカヤ′Nにいかにも不味そうな豆の緑色スープ?胡散臭いロシア軍のプロパガンダ映画ってとこですか。後半部はロシア軍の燃料輸送列車爆破の話は今ひとつですが・・・。そうそう自走砲2号車の照準手のスヴェンって脱走常習犯≠フお兄ちゃん、かの「戦争のはらわた」に登場するロシアの少年兵君だそうです。

【レッドアフガン】
将に時事ピッタリ(不謹慎でスンマセン)の作品・・・って訳じゃなく、舞台は同じくアフガニスタンですが、ソ連侵攻時が舞台です。村を焼き、族長を轢き殺して暴れまくるソ連軍のT62(もどき/中東でイスラエル軍が捕獲したT55戦車の改装タイプTi67だそうです)が主人公。戦車小僧・・・○チガイの戦車長とインテリの操縦手、通訳のアフガン人兵士。道に迷った戦車を復讐のため執拗に追いかけるアフガンゲリラ達(実はその後を女たちも追ってる)多彩な登場人物の描写が錯綜し、アフガンの大地、壮絶な自然、風土、宗教、文化が物語を彩ります。ゲリラの象徴RPG-7対戦車ロケットが重要アイテムとして登場。戦車長に置き去りにされたインテリ操縦手がゲリラの捕虜になった時、ボロイ英国製エンフィールドライフルの部品を使って故障した引き鉄部分を修理してゲリラの信用を得ます。でもなんと言っても全てを許すイスラム教の言葉ナナワテ≠ナすか。戦車の内部の描写が凄く、不発弾処理のシーンなんて凝ってます(軍事アドバイザーは、あのデイル・ダイ元大尉)原題は「THE BEAST」怪物ってピッタリですな・・・。

【戦闘機対戦車】
将にカルトの極みって言ったら製作者には失礼ですが・・・。普通空飛ぶ戦闘機と地上を走る戦車が戦ったらどっちが有利か?そんな事ミリタリーマニアを自称する方々なら考えるまでもなく戦闘機≠チて答えるのはあたりまえ。戦車の上部装甲って薄いんですよね。そこを戦闘機に機銃掃射喰らったら一発であの世逝き・・・。それでは余りに物語が面白くない。そこで思いついたのが、それなら戦闘機を飛べなくしてしまおう・・・って発想から生まれたのが、この映画じゃないんでしょうか。砲撃を受け主翼を破損し離陸不能となったカーチスP40戦闘機と独アフリカ軍団の生き残りの戦車(M4E3A8戦車/戦車長は、かのラットパトロール≠フ宿敵ディートリッヒ大尉≠ナ、部下の戦車兵の一人は特攻ギャリソンゴリラ≠フ人呼んでクールな殺し屋ナイフ投げのアパッチ¢シに英軍通信兵役でいたち≠燗o場!)と部下を全滅させられて一人生き残った独軍将官(ロイド・ブリッジス)。このメンバーで壮絶なチェイスが展開される訳ですが、まあこれほど独軍戦車に見えないM4もちょっと悲しいです。妙なラッパ型銃口のキャリバー50もね。執拗に戦闘機を追いかける戦車って、ある意味前述のレッドアフガン≠ニ逆設定で面白いですね。でもどの作品でもそうですが、砂塵巻き上げ突っ走る戦車ってカッコイイですな〜ッ!

【戦車バタリオン】

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11月20日(火)
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