ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File006】最終章「お金をかければ良いってもんじゃない・・・」
@制作費がとにかく莫大。登場するスターやスタッフのギャラ、大道具・小道具の制作費用、撮影場所のレンタル料、宣伝費等々・・・、近年ではCG経費ですか。一昔前の超大作と言えば、各国映画界を代表するスターが登場、例え出番は少なくともギャラはゴッソリ持って行くってのが定番でした。しかしながら昔はスターの名の話題性や宣伝効果は、高いギャラでも充分見合うという公式が成り立っていたので、高いギャラは宣伝費でもあった訳です。またエキストラや大道具・小道具の経費もバカになりません。戦争映画では兵器と兵士の激突がハイライトなので、エキストラの数が多いほど超大作と言われた訳です。この点「国策映画」は国家のバックアップで制作されるので政府や国軍の協力が得られ、エキストラの動員は楽そうです。まあ弁当代くらい(これもバカにはなりませんが・・・)で良い訳ですから。他はやっぱ登場する兵器・軍装品ですか・・・。第二次大戦も終わってから50年近く経つと、当然の如く当時の兵器や軍装品で現存しているものは減少します。特に敗戦国側の兵器は難しいですね。博物館などで展示されているだけならまだしも、稼動可能状態を維持している兵器などは、その維持費だけでも大変です。軍艦なんて以ての外。更に数を揃えるのが大変。戦車1台、戦闘機1機の登場だけでは話になりません。現在のようにCGで大戦車隊や大編隊が創作できなかった頃は、お金にモノを言わせて世界中のコレクターから掻き集めるか、レプリカを造るか、軍隊から借りるか、って方法しかありませんでした。でもコレクターから集めるには限界がありますし、幾ら軍隊から借りるとしても、スペイン空軍のイスパノ・メッサーだとか、英国空軍のバトルオブブリテン飛行中隊だとか、アメリカ南部連邦空軍?だとかならOKですが、二次戦映画に最新ジェット戦闘機を登場させる訳にはいきません(原子力空母は登場してるなぁ)百歩譲ってパンテル役のレオパルド≠ナ我慢してやるかってくらい。で、しょうがないから造る。軍装品は比較的レプリカが制作し易い(でも軍装品マニアの目は怖いぞ)ですが、戦車や戦闘機となると・・・M4やT34や名もわからんレシプロ機に独軍のマーキングや塗装を施しただけからT34やT44、T55に鉄板を貼って加工したり、A6テキサン繋ぎ合わせてそれらしく改造する。グラスファイバーや強化樹脂でソックリに作る(でもマーキングだけでは興ざめ(最前線物語のアイシャーマン位、元がめずらしけりゃ良い)改造も上手けりゃいいけど(戦略大作戦の改造ティーガーは◎)酷いのはねぇ〜。グラスファイバーで造ると見栄えはいいけど動きが(1941のM3は良く動いてた、ありゃ車体は本物か)鈍いし・・・)まあ、とにかくお金がかかる訳です。
いろんなエピソードや大掛かりな見せ場シーンのある超大作はA制作時間も凄い。普通映画なんてものは上映時間の数倍・数十・百倍の撮影時間が費やされ、企画・原案・脚本・調達・編集等に割かれる時間やキャスト調整の時間も膨大。特にスターが沢山出演している場合、それぞれのスターの見せ場も必要です。スターも忙しいですから、撮影スケジュールの調整も大変。その為、撮影も分担されて敵味方それぞれの国担当の監督や制作スタッフがいたりします。撮影に適した場所を探すのも大変だし、前述の大道具や小道具の数を揃えるにも時間がかかる訳です。
これだけ手間暇・お金をかけて作った作品ですが、戦争映画のベスト作品の上位を独占って訳にはいきません。国策映画の方は「まあ一度くらいは観ても良いか」的価値はありますが、二度と観なくても良い、って作品も多いのも事実。映画の出来云々てよりも、長くて観るのがしんどい、って言うのが本音かもね。ハリウッド作品の方にも早や送り(今やDVDではチャプター選択?)で、見せ場だけ観れれば良いって作品も多い訳です。
【大作=名作が多いって言えるかも・・・】
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11月01日(木)
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