ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■イ・ラン ジャパン・ツアー2025『SHAME』
イ・ラン ジャパン・ツアー2025『SHAME』@グローリアチャペル キリスト品川教会
イ・ラン『SHAME』ツアー最終日はグローリアチャペル キリスト品川教会で、イ・ヘジ(チェロ)とのデュオ。教会にいると気分がいいけど同時にイライラする、という言葉は「親に宗教を決められた」こどもに共通するものかもな。そして教会という場だからこそ生まれる空気というものもある。ここも方舟
[image or embed]— kai (@flower-lens.bsky.social) Oct 4, 2025 at 1:15
一年ぶりの再会、イ・ラン『SHAME』ツアー最終日はキリスト品川教会でイ・ヘジ(チェロ)とのデュオ。昨年のバンドセットが素晴らしかったので、同編成の東京キネマ倶楽部公演と迷ったけれど、まだ観た(聴いた)ことのなかったデュオ編成を選択。というか昨年が過去最大規模の来日公演だったんですよね。それ迄はこのヘジさんとのデュオセットと、弾き語りによるひとりセットがメインだったように記憶しています。
天井の高いチャペルのステージには、小さなライトがいくつもぶら下げてある。歌詞を映し出すスクリーンも大きく、後ろの席からでもよく見える。ランさんのMCとのタイミングからして、おそらく手動でオペレートしている。つい劇団☆新感線の音響を思い出してニヤニヤしてしまう(長らく行ってないけど、今も手動ですよね?)。ランさんの歌において歌詞はとても重要で、ご本人もスタッフも、歌詞を伝えることをとてもだいじにしていることがわかる。フォークソングだ。
ランさんは深紅、ヘジさんは漆黒のドレスで登場。素敵! ところがランさんが出てくるなりステージを降りていく。袖(といってもこちらから丸見え)でスタッフと話し込んでいる。トラブル? と緊張するも、ヘジさんは構わずチューニングとセッティングを進めている。どちらもマイペースというか、これがデュオでのいつもの光景なのか……? 結局何だったのかわからないまま開演。数曲演奏したあと、戻ってきたスタッフから受け取ったブレスレットをランさんが身につける。「友達がつくってくれたお守りのようなもの。楽屋に忘れてきてしまって」。ホッとしました。
囁き、呟き、叫び。よく通る声で唄う。ポエトリーリーディングもある。どの歌にも今を生きることの困難さが描かれている。と同時に、近くにいるひと、関わりのあるひとの幸福を願うものでもある。どうしてこんなに、ただ生きていくことがたいへんなのだろう。世界と社会への疑問は消えることなく、次々と湧いてくる。お姉さんを自死で亡くしたこと、彼女がどういう人物だったか、どんな癖で、どんな顔をして笑ったか、それを憶えている自分がいる限り、彼女の存在は生きていること。そんな存在が誰にでもあること。冒頭のツイートにも書いたが、彼女は教会にいると「イライラする」といった。「生まれたときから」「親が決めた宗教」のもとで生きていることの面倒を語った。彼女の歌にはクリスチャンの善性があると感じる。それは確かに幼い頃からの刷り込みであるかもしれないが、信仰は自分に都合のいいところだけを吸収すればいい。教えから外れたことをしても、罪だと苦しむ必要はないのだ。そう決めている自分も宗教2世なのだった。
ステージから客席が少し遠く、「皆一緒にハミングしてくださいね」といわれた「イムジン河」では、終わったあと「本当に唄ってました?」と指導が入る(笑)。聴こえなかったらしい。確かに客席から聴いていても消え入りそうな声だったわね……奥ゆかしいひとが多いんだよきっと! でも「パンを食べた」のコーラスはがんばったよね! ズシンとくる歌が多いけれど、ほぼ全て日本語で話されるMCにはそこかしこにユーモアがいっぱい込められていて、和む場面も多い。
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10月03日(金)
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