ID:43818
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by kai
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■SPC 28th Anniversary event / 29th Anniversary Special Session 高橋徹也クインテット『異郷』
SPC 28th Anniversary event / 29th Anniversary Special Session 高橋徹也クインテット『異郷』@Star Pine's Cafe

ちょっと軽々しくは書けない内容だったな……久々バンドセット、そしてお初の編成。どジャズから(アシッ)ドジャズ迄演奏はそりゃもう凄まじかった、特別な夜になった

[image or embed]— kai (@flower-lens.bsky.social) Sep 21, 2025 at 23:51
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高橋徹也(vo, g)、鹿島達也(b)、坂田学(dr, electronics)、松本健一(ts, fl)、山本隆二(key)
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高橋さんのデビュー29年/SPCオープン28年のアニバーサリーシリーズ、今年は『ある種の熱』レコーディングメンバー+坂田さんのクインテット初お披露目。一夜限りのセッションとのことだが、既にまたの機会を待っている。高橋さんご本人には今後のプランがあるのかもしれないが、「来年30周年だけど何をやるかは考えていない」「音楽を続けるかもわからない」的なことをうそぶいてもいたのでなんとも。同時に音楽に対する愛情と情熱も口にしていたし、新作のレコーディングも始めているので彼が音楽を手放すとは思えないが。

数年前から高橋、鹿島、坂田のトリオはセッションが続いていたのだが、観られずにいた。というのもこのトリオのライヴが開催される440、コロナ時期から基本スマチケオンリーになってしまったのよね…当方スマホなしおなのでな……以前はiPadでもスマチケ使えたのに! 高畠俊太郎や松竹谷清はバンド受付があって助かった。当日券を狙えばいいんだけど、前売り確保出来ない時点で気力が尽きる+他の予定入れちゃうからな。意志が弱い。

という訳でようやく観られた高橋さんの後ろに控える坂田さん。いやー強い、っょぃゎ。フィルが巻き舌! ズタッじゃなくてドゥルタッ! 巻き舌でグルーヴ! スウィングもビバップも、レギュラーグリップでズバズバ繰り出してくる。

えっここでシンバル入れるん? てとこあったけど、それが既存の楽曲の新しい顔を引き出してくる。シビれた。「夜明け前のブルース」の走らせ方、鳥肌ものだったな……。対する高橋さんのギターも強い。ヴォーカルの入るジャズアレンジというと、ギターは柔らかい/丸い音なのが常套だが、高橋さんは金属的ともいえる硬質な音でカッティングを繰り出してくる。これは新鮮、かつ攻めたアプローチに感じた。声も安定していてじっくり聴けた。高音で倍音が出ているよう。つくづく類稀な声だ、と感じる。

鹿島さんはアコースティックとエレクトリックのベースを使い分ける通常運転だが、リハのセッションから生まれたであろう新しいフレーズがいくつも聴けた。松本さんはスポットで出入りするのかなと思っていたが、テナーサックスとフルートで全曲に絡む。山本さんは寡聞につき『ある種の熱』以外の仕事を存じ上げず、ライヴで聴くのも初めてだった。エレピとシンセでバッキングからソロからめちゃめちゃ格好よかった。そう、ソロ! 「夏の出口」のアウトロとか最高だった! そして個人的に『ある種の熱』といえば「惑星」なので、あのピアノのイントロが聴こえてきた時点でブワー泣きましたよね(上田禎さんのことを思い出したというのもある。「上田さん、アルバムってどうやって作るんですか……!」)。弱ってる。

それにしても「赤いカーテン」のアレンジがアシッドジャズのそれで歓喜。いや音源でもそうなんだけど、今回のクインテットにこんなに似合うかー! マーチのようなスネアなんだけどこれがまた巻き舌でえれえグルーヴを生んでいた。ハイハットの裏打ちもシンセの入れ方もめっちゃアシッドのそれ! たまらん! 最高!


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09月21日(日)
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