ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■オフィスマウンテン『塹壕』
オフィスマウンテン『塹壕』@ワイキキSTUDIO

逢魔が時の日の出町で、ふたりが自身の持つ身体をどう使い切るかを見る。微かな声と明瞭な台詞を追う。塹壕の中で生き延びれるか、「疑わないから、こうなるんだぞ」は空耳だったか。これから台本を読んでみる。 オフィスマウンテン10周年おめでとうございます。 山縣太一 × 飴屋法水 『塹壕』

[image or embed]— kai (@flower-lens.bsky.social) Jul 13, 2025 at 0:58
「エミネム」って聞こえた気がする…気のせいか……? と思っていた箇所、「笑み眠」と表記されていた。「疑わないから、こうなるんだぞ」は空耳ではなかった。刺さる言葉だった。

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脚本:山縣太一
作・演出・振付・出演:山縣太一、飴屋法水
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オフィスマウンテン10周年特別企画、山縣太一 × 飴屋法水による『塹壕』。1時間程、ということだったが、上演時間は約40分。毎日変わるのかもしれない。

最寄り駅から5分程の場所にある、雑居ビルの4階。数日前に案内のメールが届いた。地図ではなく文面で会場の場所を伝える、その文面も作品といえる。転載はせず要約する。駅改札を出て、交差点を斜めに渡り、大岡川にかかっている長者橋を渡る。駐車場に面した雑居ビル。4階の、二つある部屋の奥の方。古いビルのため階段のみ。隣の部屋の利用者の邪魔にならないように、ドアの前は開けておいて。共有のスペースではお静かに。

初めて行く会場、あまり乗らない京急線、滅多に降りない日の出町駅。少し遠足気分。そういえば初めてBUoYに行ったときもそうだった。未知の劇場への道のりは楽しい。

上演前(というか開場からもう上演が始まっているともいえるが)、山縣さんは何度も暑さに配慮した説明をされていた。エアコンは効かせていますが開演したら暑くなります。団扇を配布していますので、ご希望の方は声を掛けてください。上演中パタパタあおいでも全然構いません。飲食も自由です。水、飲んでくださいね。持っていないひとは今から買いに行ってもいいですよ、すぐそばにコンビニや自動販売機があります。具合が悪くなったら合図を送ってください。僕らもそちらを常に見乍らやりますので、すぐ気が付きます。ま、こちらも具合悪くなったら止めますし(笑)。後方に座っている方、見難かったら上演の途中でも立ち上がって結構です。スマホの電源は切らなくてもいいです。でも、撮影はご遠慮ください。普段は撮ってもいいんですけど今回は、ね。

開演迄の30分、それは繰り返された。こういう言葉は、観客をとても安心させる。後方のひとに団扇をリレーしたり、観客同士にもちょっとした連帯が生まれる。たまたま方舟に乗り合わせた30人ちょっとが、舟を出る迄いたわり合うような心持ちだ。ただ、上演が始まると、それどころではなくなる。観客ひとりひとりが、山縣さん、飴屋さんと一対一で向き合う。

山縣さんと飴屋さんの共演を観るのは『スワン666』以来。演じた役のイメージもあり、山縣さんにはずっと恐怖感がある。台本があるのに、演出があるのに、そして観客の安全に配慮していることは前説で充分わかっているのに、何をしでかすかわからない怖さがあるのだ。それは飴屋さんもそうで、表現の前には自分の身体を(結果的に)痛めつけることを厭わない。

「では、はじめまーす」。山縣さんの軽やかなキュー。囁き声のような飴屋さんの言葉。うまく聴きとれない。ここんとこ三半規管がぶっ壊れているので、自分の耳のせいかなとちょっと戸惑う。山縣さんが芯の太い、明瞭な声で台詞をリピートする。少しホッとする。しばらくは飴屋さんの台詞を山縣さんが通訳しているかのような感覚で聴く。しかしそれは途中で枝分かれしていく。飴屋さん今「ストパかけちゃおっかなー」っていった? それ山縣さんいわなかったよ? なんて思いつつ、段々ラップバトルを聴くような姿勢になっていく。


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07月12日(土)
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