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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ザ・キラー』
『ザ・キラー』@シネマート新宿 スクリーン1
上映延長有難うございますー『ザ・キラー』をブーストサウンドで! デカい音でスミス(ドカドカかかるぞ)が聴けるのもいいがファスベンダーが伸びして首がミシーて鳴るのもビシビシに聴ける。フィンチャーが整理整頓好きを存分に発揮するので観ててすごい疲れる(がそこがいい) pic.twitter.com/6HGPLvy7oQ― kai ☁ (@flower_lens) November 8, 2023
Netflix製作につき、一週間限定の劇場公開後は配信のみ。FRUEに行く週で諦めていたのですが、好評につき上映延長とのこと。いやあNetflix入ってませんで。家でそんなに過ごさないので観る暇がない。というか配信ならいつでも観られるしとなって結局観ずに終わりがちな性分なもので。音がすごいので劇場公開があるならそっちで観るべし! との情報も結構目にしたので、劇場好きはいそいそと出かけます。というか新宿でかかってくれて有難う。喜び勇んでシネマートへ。客入れがNINの「コピオバ(Copy Of A)」、客出しがThe Smithの「ゼアイズアライト(There Is a Light That Never Goes Out)」。劇場のこういうところが好き〜! シネマートさんのアテンドはいつもホントに素晴らしい。平日(サービスデーの水曜日ではあるが)レイトにも関わらず結構な入りでした。
いやはやホントに音が凄かった。シネマート自慢のサウンドシステム、「ブーストサウンド」の威力よ。そもそも本編の音響設計がめちゃくちゃ緻密で、それが文字通りブーストされるもんだから正直酔いかけた(笑・三半規管弱り中)。冒頭にも書いてるけど、音設定がめちゃくちゃ細かい。全編通して使用されているスミスの楽曲にしても、“ザ・キラー”がイヤフォンを通して聴いている音、それを外から聴く音(所謂シャカシャカ音)、カーステから流す音(車内/車外)、倉庫での音(屋内/屋外)と全部違う。というか、自然音と録っているのではなく、「設定」として手を加えている。それらに加えホテル、ジム、レストラン等の建物で流れているBGMと劇伴、雑踏音、生活音の音を人物の動きとともに細かく切り替えているし、全部クリアにしてる。なんなら本来クリアではない箇所にはわざわざノイズを(手作りして)加えている。
逆に、映画やドラマの音設計って、視聴者が快適に聴けるように音を均質にしているんだと思った(笑)。やさしさ……。家でヘッドフォンで聴いたらそれはそれで酔いそうだなー。映画館での鑑賞はハコ自体の鳴りも含まれるので、まだ逃げ場があるというか快適ではあるのかも。
トレント&アッティカスの劇伴もブリブリビチビチで最高でした。電子音がブーストされると脳天にキますね!という訳でとにかく音がすごく、劇場で観てよかったなあと思いました。
で、お話と演出。こ、コントかな? 最初の仕事の顛末とか、あらすじにあったのについ笑ってしまったよね……。スミスが大好きな殺し屋さんがスミスを聴きつつすんごい緻密に決めたルーティンを守りつつ、それをモノローグですんごい丁寧に説明しつつ任務を遂行する。几帳面が過ぎる。字幕で見てても相当だったんだけど、Netflixの吹き替えで観た方によるともーーーっと細かくてもはやうざいくらいだそうで。わかる。で、そこ迄丁寧に進めといて……失敗するんかーい! という膝カックンっぷりがすごい。これ演出の緩急というかリズムが素晴らしいのです。待ちに待ったターゲットが現れる迄の長い時間、詰めに詰め緊張感を高める狙撃の準備、突然の来訪者に狼狽しつつ息を潜める数分、狙いに狙って…失敗して(!?)……そこから慌てて、しかし冷静に逃げる描写。その後の殺し屋の移動と滞留、そしてまた移動。これがまた順番! て感じでめちゃめちゃ几帳面にひとつずつ証拠を集め、エージェントとその依頼人を探し当てていくんですね。クイック、クイック、スロー、といいたくなるようなリズムのよさよ……。
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11月08日(水)
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