ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
[647731hit]
■『FUJI ROCK FESTIVAL '23』2日目 その3
『FUJI ROCK FESTIVAL '23』2日目 その3
pic.twitter.com/LrUgg9EDOY― kai ☁ (@flower_lens) July 29, 2023
■FOO FIGHTERS(GREEN STAGE)
フーファイがフジにやってくるのは2015年以来のこと。骨折したデイヴが自家製(つっても本気のプロ仕様のやつ。プロ仕様…? 何の……?)玉座に座ってやりきった。このセットを日本に持ってきただけでもウケるんだが、何が何でも面白い(?)ものにする、バンドのアクシデントも観客には楽しめるものにしてやるというデイヴのショウマンシップに脱帽したものだった。
このときソニーの法被を着てとても楽しそうだった(そして演奏しづらいと気付いてすぐ脱いだが、自宅に持って帰って自撮りするくらいには気に入ったようだった)テイラーは、2017年のサマソニで、バスドラムヘッドを前年亡くなったクリス・コーネルの肖像写真で飾ってくれていた。これがテイラーの最後の来日となるなんて、誰も想像していなかった。きっと、ただのひとりも。
このバンドには何故か死がついてまわる。ひとは必ず死ぬものなので、総じてどのバンドもそうなのかも知れないが、それにしたって別れは突然で、しかも最悪のシチュエーションで起こる。何度乗り越えてもそうだ。しかしその度、彼らは戻ってきた。デイヴはファイターだ。そしてこのバンドは、文字通りファイターズなんだ。
-----
フジの週はヴァイオレットたちのinstaをチェックするのが日課になった(笑)。彼らは水曜日にはもう来日していた。その翌日、シネイド・オコナーの訃報が届く。ストーリーズに涙と悼みの声が溢れる。アラニスもtwitterにシネイドの画像を、instaにメッセージをアップしていた。金曜日にはシフティがFender Flagship Tokyoのイヴェント〈Fender Flagship Tokyo Special Event with Chris Shiflett〉に出演。慌ただしくやってきてすぐ帰るいつもと違って、余裕のある滞在だった様子。
しかしその間、リハはやっていたらしい。木曜日にあったタワレコ/ソニーのイヴェントで「サプライズゲストがあるかも」という話をスタッフの方がされていたそうで、こりゃ絶対アラニスだろ! 会場到着前にきっと合流している筈だと確信。当日も朝8時前からグリーンでのリハが聴こえる! という情報が流れてきていた。マジかよ、早起きだな。勤勉というか、ヘッドライナークラスは当然そういうところしっかりしてる。しかしここでは、もうひとりゲストがいるとは予想出来なかった。
前置きが長いよ! 始まるよ!
-----
大歓声で迎えられたメンバー。オープンコードを掻き鳴らし乍らステージの端から端迄歩き、クラウドを見渡し手を振るデイヴ。聴こえてきたリフは「All My Life」、おちつけという方が無理な話。
アラニスでエモが尽きたか憑き物が落ちたか、騒ぎつつも落ち着いてはいて、頭の隅には注意喚起があった。レコーディングではデイヴが叩いた『But Here We Are』のナンバーをジョシュがどう料理するか、そして長年テイラーのドラムで演奏されてきた定番のナンバーはどうなるか、というところを注意して聴いていこうと思っていた(ジョシュが参加してからのライヴは数々の動画で確認済ではあったが)。しかし、デイヴが連呼していた「For FUJI!」なセットリストはそういう雑念を吹き飛ばすものだった。
前者に関しては、新譜からは2曲しか演奏されなかったので、アルバム全体の演奏と比較して云々ということにはならなかった。後者に関しては、あまりにも演奏スタイルが違うので比較しようがなかった。ハードヒッターだがテクニカル、手数も多く華やか。その上ツーバス。フーファイのドラマーとして初お披露目された5月の『Preparing Music For Concerts』で「ツーバスならここにカメラ置けば映えるね」、なんてことをデイヴがジョシュに話していたが、その案もしっかり採用されている。ソロの見せ場も多く、ドラムセット真上にあるカメラからの映像が、しつこいくらい(笑)何度もズームアップ/バックされる。いやあ、こりゃ映えるわ。ハイタムやシンバルの数も多く、ハードロックの最適解ともいえるセットだ。
[5]続きを読む
07月31日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る