ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■川崎の菊地成孔&ぺぺ・トルメント・アスカラール
菊地成孔&ペペ・トルメント・アスカラール コンサート2022@カルッツかわさき ホール
アンコールは色悪と大空位時代。
ううむ、ゴダール追悼は京都公演のみになるのだな pic.twitter.com/pVkBygqzoC― kai ☁ (@flower_lens) November 3, 2022
『かわさきジャズ 2022』の1プログラムでもあるので(一見さんの客も結構いた模様)、運営の方といろいろ擦り合わせがあったのかもしれない(演奏曲目のいくつかは早くから発表されていたし)。オールタイムベストの選曲に思えました。とはいえ、そこに「Caravaggio」持ってくるのも相当ですよね……名演でしたけども。あと楽団名義がいつもの「と」じゃなくて「&」だった。何故だろう(開演前のアナウンスで気が付いた)。ちなみに早川純さんが事業企画の一員だった縁での出演だったそうです。「何、早川くんこのホールの社長? 下っ端?」「会社には社長と下っ端しかいない」。
なかなか聴ける機会が少ないPTA、今年は雪の日のBLUE NOTEと本日だけ。ホントは大阪と京都も行きたい。公開されているように今回全部セットリスト違うんですよね。スタンディングでも聴きたかったし<ジャン=リュック・ゴダールに捧げる>コンセールも聴きたかったよ〜。
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菊地成孔(cond/sax/vo/perc/cdj)/ 林正樹(pf)/ 鳥越啓介(cb)/ 早川純(bdn)/ 堀米綾(hpf)/ はたけやま裕(perc)/ 大儀見元(perc)/ 牛山玲名(vn1)、田島華乃(vn2)、舘泉礼一(va)/ 関口将史(vc)
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田中倫明さんは「葉加瀬太郎さんのツアーにとられました」。トラのはたけやまさんは、6月に行われたチルドレンワークショップでの“太鼓のお姉さん”。
・足立区制90周年記念 「ギャラクシティ 音楽の日」を家族・友達と楽しもう!
・足立区制90周年記念 ギャラクシティ 音楽の日 「菊地 成孔 ポリリズムワークショップ」
・6/12(日)開催の「菊地 成孔 ポリリズムワークショップ」の講師 菊地成孔 先生と、お手伝いいただく「太鼓のお姉さん」はたけやま裕 先生からメッセージ動画をいただきました✨
ごあいさつも見ものなので載せとく。
演奏曲目が記載された当日パンフレットが配られるというのも、PTAでは珍しい部類。隣席のおじいちゃんは演奏が始まるごとにパンフをとりだして曲目を確認し、アンコール曲はペンを取り出し書き加えていた。反対側の老夫婦は、おばあちゃんはノリノリ、おじいちゃんは身体を乗り出して見入っていた。後ろが空席で、他の客の視界を遮るということはなかった。こういうの見るとやっぱりうれしくなっちゃうのね。ときにはこういう無礼講、あっていいと思うの。音楽を楽しめるのがいちばん。奇妙なMCとともに刺さって忘れられない思い出になるといいな〜などとニコニコする。
テナーとソプラノ。歯のことがあるからSx減らして歌多めかな、なんて思っていたがそんなことはなかった。ですよね。そういうひとではなかった。しかし高音厳しそうだったなー。反面、面白いくらい声出るようになってて笑ってしまった。声量も、声の伸びも、ファルセットだけじゃなくて地声もスカーンと抜けるような響き。先述のおじいちゃんがぬぬ、といった様子で席から乗り出し始めたのが「嵐が丘」のスキャット辺りからだった。いい声ですよね。
もともとステージ前にダイエットするひとですが、ひとめ見て「痩せたなー!」と思う。それにしたって昨年から災難続き、思えば前厄じゃん。お祓いに行きなよ。儀礼を重んじる反面、それが自身に降りかかることとなると意図的に避けそうな方でもありますよね(…)。
で、満身創痍でも(だと?)演奏が冴える。指揮が冴える。楽団もそれにピタリと反応する。「(レパートリー曲の演奏は)難しくはない」といっていたけれど、違うひとがコンダクトしたらああはならないだろう。ソロのタイミング、戻りのタイミング。プレイヤー同士のケミストリー、聴衆の表面張力を見切る嗅覚。「ルペ・ベレスの葬儀」では今迄聴いたことがない、「大空位時代」に接続するような長調のハーモニーが顕れた。ストリングス四人の弓から松ヤニの粉が舞う。弓がちぎれてふわふわと揺れる。エレガントだけどスリリング。フィジカル直結の演奏は危うく儚い。この瞬間にしかない。
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11月03日(木)
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