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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『アネット』舞台挨拶+こまごま
レオス・カラックスは、いつの間にやら来日し、いつの間にやら帰っていきました。公開週に入って舞台挨拶が発表されたときは驚いた。出入国の条件が緩和されたタイミングとはいえ、このご時世よく来てくれた…有難う有難う……。桜の季節に来日したのは初めてだったそうです(後述リンク)。少しでも異国の春を楽しめたならうれしい。
滞在期間中めちゃめちゃ働いたようで、取材を受け、企画展を開催しているアニエス・ベーや蔦屋書店に出向き、試写会にサプライズ登壇し、遭遇したファンにも都度サインしていたようです(「会った」「サインもらった」ってツイートの多いこと!)。舞台挨拶は初日にユーロスペース、二日目に川崎、有楽町、池袋の三会場。アイドル並みのスケジュール。
そんなカラックスの舞台挨拶を、有楽町で観覧しました。上映終了後、「たった今到着しました!」と呼び込まれて入場してきたカラックス。壇上に上がってからゆったりコートを脱ぎ、ペットボトルのドリンク(「お〜いお茶」だったかと)を床に置き、椅子に深く座りました。タバコが吸えず口寂しかったのか、お茶、何度も飲んでた。左手でキャップ開けてました。
ティーチインの形式になっており、質問は事前にtwitterで募集しておいたものだったので段取りもよく、落ち着いて話が聞けてよかったです。司会は矢田部吉彦さん。印象的だったところをおぼえがき。記憶で起こしているのでそのままではありません。
・(「緑色」について)もともと大好きな色で、家のインテリアにも緑色のものが多くあるくらいなのですが、フィルム撮影だと理想の緑色にならなかったんです。照明の具合によって変に明るい色になってしまう。その後デジタル撮影に移行して、(『TOKYO!』の)「メルド」はうまくいきました。今回も大好きな緑色が撮れました
フィルムで緑色を撮るのは難しいんだな。この話を思い出しました。
パク・チャヌクは『渇き』で本当は緑の衣装で撮りたかったシーンがうまくいかなくて青にして、その後思考錯誤して『お嬢さん』ではいい緑が撮れたといってたんでしたっけ #アネット #緑色の撮影 pic.twitter.com/OxnfV2BAWs— kai ☁️ (@flower_lens) April 2, 2022
(誤)思考錯誤→(正)試行錯誤。ちなみにチャヌクと組んだ撮影監督はチョン・ジョンフン、『新しき世界』の撮影も手がけている方です。
そういえば上映前『オールドボーイ』の予告編流れたわ。4Kリストアで映像が鮮明になったため、レーティングが上がってR18+になったそうで(微笑)
・自分は演技のプロでもないし、特別な技術を持った撮影監督でもありません。監督は何も持っていないので、ひととの出会いこそが大切
ひとと出会い、新しい技術を取り入れ、実験を繰り返す。こうしてカラックスは「大好きな映画」をずっと更新し続けている。
あと「自分は作曲出来ないので、好きじゃない音楽を持ってこられたらどうやって断るかを考えないといけない」っていってたのが面白かった
・(フランスを代表する映画監督として、映画界について思うところは)最初に覚えた言語は英語ですし、私にはいろんな血が入っている。フランス、アメリカ、ドイツ、ロシア……クォータークォータークォータークォーターなんですよ。ナショナリズムは稀薄です。フランスを意識して映画は撮っていませんし、背負っているという意識もありません
・(アダムとマリオンについて)アダムはTVシリーズの『GIRLS』で知ったのですが、とても変わった顔だと思いました。身体も大きく、とても変わっている。お猿さんみたいだと思いました。ドニ・ラヴァンもそうでした。以前飼っていたことがあるくらい、猿が大好きなんです。撮ってみたいと思いました。マリオンはクランクインの数ヶ月前にやっと決まりました。最初アメリカの俳優を探していたのですがうまくいかず、諦めかけていたときマリオンが現れました。素晴らしい仕事をしてくれました
・(「死んだらどうなると思いますか?」という質問に、満面の笑みで)Thank You.(笑)まず電気はないでしょうね。闇なのでしょう。死後の世界より死ぬ直前の方に興味があります
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04月08日(金)
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