ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『アメリカン・ユートピア』
『アメリカン・ユートピア』@WHITE CINE QUINTO
うええええめちゃめちゃめちゃよかった!!! ステージでしか出来ないことをやったデイヴィッド・バーンと、映画にしか出来ないものを撮ったスパイク・リー素晴らしい! またすぐ観に行きたいよー爆音上映でも観たい! #アメリカンユートピア #AmericanUtopia pic.twitter.com/059Q85OU2E― kai (@flower_lens) June 6, 2021
泣きすぎて頭が痛い……視界がぼやけて見逃したとこも結構ありそうなのですぐまた観たいよー。バーンの心意気に感動したってのは確かだけどそれは観終わったあとの後付けで、実際のところなんでこんなに泣いてんだろって自分でもわからんかった……。曲がよいとかライヴに行きたいとかマスクとりたいとか声あげたいとか、いろんな要因があったのかもしれないが。まあそうした! 様々な鬱屈が! これを観ている間は霧散していた!
2019年にブロードウェイで上演された『American Utopia』をパッケージ。ニューヨーク・ハドソン劇場での公演を撮影し、映像ならではの演出を加え、一本の作品に仕上げたもののようです。本国ではHBO配信のみの公開だったそうだけど、最初のMCでバーンが「家を出て、劇場に来てくれて有難う」っていうのね。これがまた胸に沁みた。劇場(映画館)で観ることが出来てよかった……GW明けの初日が緊急事態宣言のため延期になり、配信になっちゃうかも? 劇場で観られなくなるかも? とヤキモキしていたのです。
ことの起こりは2008年だっけ?の『songs of david byrne and brian eno』だと思うんだけど、当時の編成や構成から新しい試みを続けてこんな作品をつくってしまうバーン最高ですよ…… #アメリカンユートピア pic.twitter.com/yZYON4kj8F― kai (@flower_lens) June 6, 2021
『songs of david byrne and brian eno』ツアーは2009年に来日公演も行われている。手前味噌だがリンクを張ったこの感想、ライヴの雰囲気ごと伝えるいい感想になってると思いますよ。衣裳はホワイトからグレーになり、チュチュは履かなくなった(これはちょっと残念・笑)。バンド編成はほぼ同じだが、よりアクティヴに、よりアグレッシヴに。楽器は全てワイアレス。マーチングバンドのようにフォーメーションを組み、振り付けられたダンスを踊る。思えば「Burning Down the House」のドラムサウンドってマーチング用のマルチタムの音に合ってますよね。アフロビートを叩き出す多彩なパーカッションも魅力的。何もないステージを囲むのはキラキラ光るシルバーチェーン。このステージは安全、この劇場は安全とでもいうように、演者は裸足で自由に動きまわり、観客は歓声をあげ立ち上がって踊る。拍手し、合唱する。
『songs of〜』では「演奏してて楽しいし、お客さんが大喜びしてくれるから」と、イーノと関係ない曲も演奏していた(微笑)バーンですが(ちなみにこのとき「Born Under Punches」は「難しいんだけど練習して出来るようになってきたから今度やってみようと思うんだ〜」といってた。セットリストに入っていてニッコリですよ!)、今作でもそのサービス精神は発揮されています。ステージで演奏されるのは、2018年のソロ作『AMERICAN UTOPIA』からのナンバー、TALKING HEADS時代の曲、ソロやコラボで発表した曲。そしてプロテストソング。上演に際し、『AMERICAN UTOPIA ON BROADWAY (ORIGINAL CAST RECORDING LIVE)』もリリースされています。
曲名を見ただけで物語が聴こえてきそう。ステージに立つ人物はときに間違いを犯し、ダラダラして、テレビを観て、政治のことなど気にかけないでいる。オープンになれない自分、皮肉屋の自分を顧み、変えられないことと変えられることを問う。ひとと会うことはたいへんだけど楽しい。コミュニケーションの必要性を語り、自身のルーツを語り、移民で成り立つアメリカをより理想的なものにするべく投票に行こうと呼びかける(上演された2019年は大統領選挙の前年)。真摯な言葉にはユーモアとエレガンスを。
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06月06日(日)
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