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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■配信の『S/N』についてのメモランダム
Dumb Type『S/N』@Normal Screen/Visual AIDS
ICCで観て以来、何年ぶりか。今観ても素晴らしいし、未だにライヴで観られなかったことを悔やんでいるし、今でも状況があまり変わっていないことに悲しくなり、だからこそ変えられることがあると前を向く。
ダムタイプ『S/N』配信、5/9迄。要メールアドレス登録https://t.co/u4zm4Acpa3 ― kai (@flower_lens) May 3, 2021
私は夢見る、私の性別が消えることを。私は夢見る、私の国籍が消えることを。私は夢見る、私の血が消えることを。私は夢見る、私の権利が消えることを。私は夢見る、私の価値が消えることを。私は夢見る、私の偏見が消えることを。私は夢見る、私の人種が消えることを。私は夢見る、私の財産が消えることを。私は夢見る、私の様式が消えることを。私は夢見る、私の恐怖が消えることを。私は夢見る、私の義務が消えることを。私は夢見る、私の権威が消えることを。私は夢見る、私の権力が消えることを。
真夜中にひとり、PCの画面を通して『S/N』を観る。今、世界のどこかで誰かが(私と一緒に)『S/N』を観ている、と想像する。そんな時間も楽しいものでした。“LIFE WITH VIRUS”、それは今のことでもある。
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・ダムタイプの代表作『S/N』、5月9日までオンラインで世界初配信中┃Tokyo Art Beat
“今回のオンライン配信を企画したのは、東京を拠点に実験映像やアニメーション、ドキュメンタリーなど幅広い映像企画を行ってきた「ノーマルスクリーン」と、今なお続くAIDS問題に向き合うため活動するニューヨークのアート非営利団体「Visual AIDS」。古橋が、生前好んで訪れたニューヨークでの時間にフォーカスしたイベント「“LIFE WITH VIRUS”:Teiji Furuhashi in New York」の一環として上映”
・“LIFE WITH VIRUS” Teiji Furuhashi in New York┃Normal Screen
・溝口彰子さん [ S/N ] イントロビデオ日本語原稿の公開┃Normal Screen
“作品が、「カミングアウトしたゲイを受け入れ、応援する」といった次元にはまったくとどまっていない。「S/N」が扱う問題系は人種やボーダーや科学の申し合わせなど幅広いが、セクシュアリティという要素ひとつをとっても、その複雑さに踏み込んで、ひとつの答えを出すのではなく、思索し、分け入る、その意味で刺激的だ。ゲイの肯定的な表象を作り出すことはもちろん大事。だけど、そもそもゲイって何?”
・Teiji Furuhashi┃Visual AIDS
AIDSで亡くなったアーティストとHIVと生きるアーティストのデータベース[Artist+ Registry]に、今回古橋さんのページが追加されたとのこと。
イヴェントや上映会などは断続的に行われていましたが、『S/N』が全世界、つまり、エリアの制限なく(まあインターネット自体が制限されている地域もあるが)配信されるのは初めてのことだそうです。
東京初演当時、「観たいな」と思った記憶がある。しかし、観られなかった。そのときもっと優先したいものがあったこと、経済的な面でも。古橋さんが亡くなり、「しまった」と思った。その後ICCでの上映(いつだったか忘れてしまったが、サイト情報を参照すると多分『ダムタイプ:ヴォヤージュ』(2002年)だと思われる)を観て、ますます「しまった」と思った。しかし、もう遅い。今はただただ映像が残されていること、こうして配信の機会が設けられたことに感謝するばかり。
オープン乍らもクローズドな形式(メールで問い合わせ、配信URLを取得する)をとったことにも作品への敬意が感じられました。権利関係のこともあると思いますが、“野次馬”は近づくな、というステートメントとも受け取りました。今回改めて作品を観て、その内容が古びていないことと同時に、ゲイやセックスワーカーが受ける差別や迫害の状況があまりにも変わっていないことに衝撃を受けました。では、自分が“野次馬”にならないようにするにはどうすればいいか。きちんと当時を振り返り、考え続けていこうと思います。そのためのおぼえがき。おぼえがきなので全然整理されていません。ホントにとりとめのない、メモランダム。
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05月10日(月)
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