ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■downy『雨曝しの月』
downy『雨曝しの月』@WWW X
1月のJagatara以来、約9ヶ月ぶりの現場。立ちっぱなしで脚がつったことすらうれしかった……実現に尽力してくれたスタッフに感謝。そして勿論バンドに、「ライヴをとばさない、作品を録(撮)る、バンドを続ける」という約束をとりつけてくれた裕さんに。音をぶつけてくれて有難う! #downyband pic.twitter.com/aIxahsaXzE― kai (@flower_lens) November 1, 2020
ロビンさん曰く、裕さんは「やさしい呪いをかけてくれた」。「気にしいのひとだったから、これで安心してくれたんじゃないかな」。
もともとは6月に行われる予定でした。5月に延期のお知らせが届き、このまま中止になってしまうのかな……と思っていた9月末に振替日程が、その翌週に配信(当日ライヴ配信、29日から「カメラ台数を倍増&音もRemix」したプレミアム配信)がアナウンスされました。秋山さんが「生配信は最初で最後っぽい?」とツイートしていましたが、オーディエンスと向き合うライヴの感覚をバンドはだいじにしているのかな。しかし配信するからには自分たちにしか出来ないものを、といった意欲も感じられました。少ない本数とはいえ、これ迄に観たdownyのどのライヴにも似ていないものを体験することが出来ました。
問診、検温、消毒、セルフもぎり。そろそろ慣れてきましたが、スタンディングのライヴハウスでは初めてです。バミリで区切られた枠に立ち、そこからはみ出さずにいられるかという緊張感もあり。とはいえ、「前に押さずに上に跳べ!」というチバユウスケの名言を思い出せば、実はそう難しいことではないですね。モッシュが起こるフロアを眺めるのは好き(としよりなので巻き込まれるのはもういいです)だし、ぶつかりあいたいひとの気持ちは判るので、いつかもとどおりになるといいなあと願っています。
枠からはみ出さずに盛り上がれたのは、downyのライヴだったからというのも大きい。あまりに演奏が凄まじすぎて呆然としちゃうんですよね。勿論踊れるし、リズムに合わせ身体を揺らすことはあれど、轟音と変則ビートを浴びているうちに立ち尽くしてしまう。曲間の沈黙すら聴いていたい、そして拍手のタイミングを逃す(笑)。それは他の観客もそうだったようで、拍手が起こるときと起こらないときがありました。まるでバンドの呼吸に合わせているかのよう。
珍しくMCがありました。もともとライヴを作品録(撮)りする計画があった。裕さんと約束し、SUNNOVAくんもいるから大丈夫、と安心してもらって病院に送り出した。作品は録(撮)れていなかったのでやっと約束が果たせた、というようなことをロビンさんがポツリポツリと話す。そして「下弦の月」へ。初めて聴く、アコースティックギターを中心に据えたアレンジ。ヒリヒリと、しかしやさしく心に沁みる。自粛期間中、沖縄からロビンさんが何度かインスタライヴを開催してくれたのだが、そのときの弾き語りから発展したもののよう。「視界不良」「砂上、燃ユ。残像」も作品とは違うアレンジになっていた。ライヴの醍醐味。
まあそれにしても皆さんクールなこと、涼しい顔して超絶技巧。それぞれが誰にも似ていない。ポンチさんが「秋山さんの顔と演奏がどう考えても合ってない」といってたけど名言すぎる。前にも書いた憶えがあるが、あんなフィル叩いといてリムショットになるミスがひとっつもないのが恐ろしすぎる。もはや気味が悪い(賛辞です)。仲俣さんも穏やかそーなふりしてゴリッゴリのグルーヴをホイホイ生み出しつつ、「海の静寂」では美しいベースのコードを聴かせる。そんなふたりが「曦ヲ見ヨ!」のブレイクで顔を見合わせて笑っていた。何その余裕、怖いよー(褒めてるんですよ)。明晰な狂気といおうか。
いちばん歳下のSUNNOVAくんがやはり弟っぽい立ち位置ではあるんだけど、彼は踊り乍らも他の三人をよくみている。裕さんの音を預かっている、という心持ちもあるだろうが、トム・モレロばりのエフェクターかけたギター音をブーストする等(「海の静寂」アウトロのヘリコプターのプロペラ音のように聴こえてくるあれ!)音響面の貢献も大きい。今後どうバンドにコミットしていくのかも楽しみです。配信や制作まわりに関しても積極的に動いていて心強い。
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11月01日(日)
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