ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■南極探検いろいろ その1
家で観たものについてはなかなか書く気が……といいつつ、twitterに書き散らしていた南極ものの感想はまとめておこうかなと思い立ちました。関連文献等を読み直したいとき、散らばっているログを探すのが面倒くさいという理由もある(笑)。

「スコットが無事に冒険から帰っていたら、わが家族はなかったということになるんですね。」そもそもは、Penguin Cafeのアーサー・ジェフスがロバート・スコット隊長と縁があるということで興味を持ちました。そのことについてはこちらを参照。

・TOWER RECORDSのPenguin Cafe
・(元)グランドキャバレーのPenguin Cafe

ロバート・スコットという人物については、小学校の授業か、学研の『科学』と『学習』か、はたまた図書室で見かけてか、「南極到達レースでアムンゼン(今はアムンセン表記の方が多いかな)に敗れ、帰路で遭難死した」という程度の知識は得ていた。しかし授業だったら何の科目? 地理? 歴史? 今の子たちってこういうの習うのかなーと思っていたら、やまこさんから「(お子さんが通っている)探究塾のテーマ探究で『冒険編』というものがあり、そこで習ってきた」とのこと。大人になるにつれ遠ざかっていくジャンルなだけに、こうした場が設けられているのっていいですねえ。数十年後、こうして再び探求の旅に出ることもあるかも知れませんよ(微笑)。
 
という訳で、まずWikiを見たのですが……。

・ロバート・スコット Robert Falcon Scott┃Wikipedia
・テラノバ遠征┃Wikipedia

震えあがる。なんという悲劇か……。これはもうちょっと突っ込んで調べてみようと文献を探しはじめました。

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ロバート・スコットについてちょっと深掘りしてみてる(おかげで佐々木マキがこんな本を出してたと知る)。探検一辺倒ではなくペンギンの生態観察等も行っていた彼が遭難していなかったら、サイモンもアーサーも生まれていなかったのかと思うとなんとも…… #PenguinCafe #ペンギンカフェ pic.twitter.com/pxQGobr7b7― kai (@flower_lens) October 18, 2019
・『南極の スコット大佐とシャクルトン』佐々木マキ┃福音館書店
佐々木さんのすっとぼけたマンガが楽しく、壮絶な旅の記録とのギャップがすごい。役目を終えた犬や馬は殺して食料に……という話もしっかり書かれており、こども向けだからという手加減はありません(素晴らしい)。写真やテキストも豊富で読み応えありました。

今はこれを読んでる。だんだん何が目的なのかわからなくなってきた pic.twitter.com/pbUW5HfCEO― kai (@flower_lens) October 21, 2019
チェリー・ガラード『世界最悪の旅』読了〜 1910年代の南極探検。冒険ではなく探検。本文中に「緑色をしたウイレスデン帆布」という表記があって、これのことだー! と鳥肌が pic.twitter.com/k0USbYfMdG― kai (@flower_lens) December 5, 2019
・『世界最悪の旅 スコット南極探検隊』チェリー・ガラード┃中央公論新社
動物学者として探検隊に参加した著者は当時24歳。南極点を目指すスコットたちを見送り、その後捜索隊として彼らの遺体を発見、埋葬しています。旅は苛烈を極める。寝袋がカチカチに凍るので、入る迄に相当な時間がかかる。着替えるのも、靴を履くのも同様。そんな環境でも汗、唾液、鼻水は出る。それがまたすぐ凍る。人体はこんなに分泌液が出ているのだ、と気づかされる……想像を絶する描写に、読んでいるだけなのに指先がどんどん冷たくなる。
「太陽は中天にとどまって沈まず、人は軌道を失って焼きぐしの中心の一点のごとくに回り、どっちを向いてもただ北を指している。」行ったひとにしか目に出来ない、絶望的な風景です。
そもそもは「冒険」ではなく「探検」に行ったので、ペンギンの卵を採取したり観察記録をとったりと、彼らは多くの仕事をしていました。その様子が読めるのも興味深い。ペンギンの生態についての流れで「奇異鳥」という鳥の名前が出てきて戸惑うも、「南半球の飛べない鳥」「ニュージーランド南島にすむ駝鳥目の一種で、無翼鳥ともいう」ときて、ああ、これってキウイか、日本では当時キウイのことを「奇異鳥」と呼んでいたのか〜と気づく楽しさもあります。

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05月08日(金)
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