ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『よみちにひはくれない 』浦和バージョン
『よみちにひはくれない』浦和バージョン@さいたま市(浦和)市街地

世界ゴールド祭『よみちにひはくれない』浦和バージョン よかった…予期した光景と予期しなかった光景と。内容については全公演終了後別頁で。これから行かれる方、天候対策(帽子、雨具等)とともに、出発前虫除けスプレーしとくといいです。蚊に刺されるw pic.twitter.com/GZbvkfHoZW― kai (@flower_lens) September 22, 2018
いやー刺された(笑)。公園のシーンで役者さんの周りに沢山飛んでるのが見えて、あー演じる側は刺されても演技が終わる迄移動出来ないねえ…と思ってる間に自分が刺されてた。上演中だから変に動いたりして場に影響与えたくないから署ノくに署ノけないし〜。移動中あちこちから「刺された……」「痒い……」という囁き声がしてました(笑)。そういうのも含めて楽しかった。

高齢者による舞台づくりに蜷川幸雄と取り組んできたさいたま芸術劇場が、国際フェスティバル『世界ゴールド祭 2018』をスタートさせました。まずは初日のこれ。あと一本観る予定です。

この手の作品をつれまわし演劇と勝手に名付けていましたが、今作は「徘徊演劇」と銘打たれています。俳優・介護福祉士の菅原直樹がひとりの高齢者とともに立ちあげた劇団、OiBokkeShiの代表作。彼らが拠点とする岡山の街での初演から、場を浦和に移しての改定上演です。徘徊者は各回30名弱(チケット前売分20名+誘導スタッフ、関係者。菅原さんも同行)。小雨ならそのまま上演、荒天の場合は会館内で別バージョンを上演とのことだったので、当日9時の発表を遠足気分でドキドキ待つ。念のためレインコート持参で出掛けました。浦和に着いた頃にはすっかり晴天、日差しも強くなんてこったい。チケットとったときは残暑厳しいだろうから暑さ対策しなきゃと思ってたのに、ここ数日の秋空に油断した……上演中は日傘も差せませんから帽子持参をお勧めします(公演はもう終わっているので、またの上演があるときの参考にということで)。

集合場所の埼玉会館ロビーで受付を済ませ、諸注意メモと首からさげる「徘徊中」パスを受けとる。スタッフの方が「4000歩くらい歩きます」「暑くなるので必要な方は飲みものの準備を」「途中コンビニに寄ったりはしませんので(笑)買うなら今のうちに」等いろいろお話ししててくださる。開演時間になると「まだいらっしゃらない方がいますにで3分待ちます」。追いつけなくなる限界が3分ということですね。「案内人」の女性が諸注意とともに挨拶、導入を語り始める。深い、芯のある声にはっとして目をやる。ネクストシアターの堀杏子だ。出演者のチェックはしていなかったので、これから誰が出てくるかというのも楽しみのひとつ。ガイドに従いロビーを出て、浦和の街なかへ。さあ、出発です。

「主人公の神崎くんが、故郷である浦和へ二十年ぶりに帰ってくるところから物語は始まります。彼の到着を待ちましょう」。「神崎くん」を待つ。通りの向こうからネクストの手打隆盛が歩いてくるのが見える。古典や翻訳ものを意識的に上演する集団だったネクストのなかでも、演技巧者の手打さんは年長者の役を演じることが多かった。現代劇で年相応の役を演じる彼を観るのは、おそらく初めてだ。ほぼノーメイクの普段着で、口語体で話す様子を新鮮な気持ちで観る。彼の前に現れたのは、ゴールドシアターの遠山陽一。五月の公演でも印象的だった、あのひとなつこい笑顔で手打さんへ歩み寄る。

帰郷した神崎くんは、幼いころ世話になった「じいちゃん」を見かけ声をかける。じいちゃんは、認知症を患い徘徊を繰り返している妻が、目を離した隙にまたいなくなってしまったと話す。神崎くんは「ばあちゃん」を探し、かつての住まい、遊んだ公園、よしみの店を訪問するうち、故郷とそこに暮らすひとびとの現在を知ることになるのだが……。


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09月22日(土)
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