ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『BED』
『BED』@JR与野本町駅(西口)周辺
『BED』観劇。ある意味究極の一時間放置プレイ、序盤はどう観ればいいか困惑するひと多し。杉原邦生さんが積極的に演者とコミュニケーションをとりだしてくれたおかげで「あ、そう観ればいいのか」と観客の力が抜けたところもある #BEDtouring #世界ゴールド祭2018 #さいたまゴールド・シアター pic.twitter.com/zbhEGWBx55― kai (@flower_lens) September 29, 2018
『世界ゴールド祭 2018』、二本目の『BED』は、2016年初演以来各地で上演されてきた路上パフォーマンス。孤立高齢者や障害者といった社会から疎外されるコミュニティに向けた活動を行うデービッド・スレイターの作品。
「街なかに突然ベッドが出現したら、ひとはどういう反応をするだろう?」という内容で、チケットや入場料金なしで参加出来る。作品を観にやってきたひとだけではなく、その場に出くわしたひとも観客だ。その情報量にあまり差をつけないようにしたいのだろう、事前アナウンスは必要最小限に留めてある。上演場所は与野本町駅西口付近、開演時間は12時。集合場所の指定もない。そのうえこの日は台風が接近中で、公演の有無は当日11時にwebで発表という。確認してから出発したら間に合わないし、与野本町駅付近にはファミマくらいしかフリーWi-Fi飛ばしてるところがない。携帯不携帯タブレット携帯の身には厳しい環境です(笑)。まあそういうのも面白いか、西口付近といえば遊歩道がある。さい芸に向かう途中、季節の花々を眺め乍ら歩くのが楽しいんだよね。あの辺りだろう。外が無理ならさい芸のどっかだろう。とりあえず行ってみて、ベッドを見つけたら近づこうかな〜くらいのノリで早めに出発。
雨はまだしとしとというところ。さい芸に行きなれてるひとならご存知、VIE DE FRANCEでお昼を食べ乍ら遊歩道を眺める。何もない、誰もいない。うーんこりゃさい芸で上演かな? と思いつつ劇場方面へ歩いていくと、高架下に何やらひとだかり。バン、ベッド、おじいちゃんとおばあちゃん。あっ、これだ。準備中か? 観客らしきひとたちもいたので一緒になって遠巻きに眺める。雨天用に装備したのだろう、パラソル付きのベッドが二台。布団はビニールシートで覆われている。作品の性質上、出来る限り野外、それも街なかで上演したいのだろう。準備は万端だ。天気は悪くなる一方。パラソルだけでは雨を防ぎきれなかったようで、15時の回は設営したテントの下で上演されたそうだ。
開演時間を過ぎた。スタッフがキャスター付のベッドの一台をガラガラと押していく。あっ、ここでやるんじゃないのねとついていく。もう一台のベッドがついてくる様子がない。丁度改札を出たところのバス停付近にベッドが停まる。あっという間にひとだかりが出来ると同時に、電車から降りてきたひと、乗りにきたひとたちが訝しげな顔で通り過ぎる。ベッドを固定したスタッフは無言で場を離れる。……これ、もうはじまってる? 隣のひとに「開演…したんですかね……」と訊かれ「ど、どうなんでしょう」と応える。どうする? としばし戸惑っているところに救世主が現れました。観客のひとり、KUNIOの杉原邦生が「いいんだよね?」「面白いね」といいつつベッドに近づき、演者に話しかけたのです。挨拶からはじめ、自然な声のかけ方。サクラではなくホントに観に来ていたと思われますが、スタンドプレーのいやらしさは全くない。場の空気がほぐれ、ベッドに近寄るひとが増えました。いやー助かった、他の回はどう進行したんでしょうね。
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09月29日(土)
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