ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■mouse on the keys tres Japan Tour 2018
mouse on the keys tres Japan Tour 2018@UNIT
清田さんときどきこんな顔になって弾いてたね…久々に思い出したこのねこ。 pic.twitter.com/EtzgYv0Mqw― kai (@flower_lens) June 15, 2018
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drs, syn:川撫コ
key:清田敦
key, syn, g:新留大介
tp, f.hr:佐々木大輔
s & t-sax:本澤賢士
g:飛田雅弘
vo:稲泉りん
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『tres』レコ発。長く聴いているとあたりまえみたいになってたが、実は(実はも何も)むちゃくちゃ難しい曲を演奏してるんだったと思い出させられた……緻密という意味でも。過去最大にスリリング、チャレンジングかつエキサイティングなライヴでした。
フロアに降りてまず目についたのはセッティング。上手清田、中央新留、下手川浮ニいうここ数年固定されていた配置ではなく、新留さんと川浮ウんの位置が入れ替わっている。正確には中央は飛田さんで、これ迄とそう変わらない下手側に川浮ウん、最下手に新留さん。『tres』でいちばん驚かされたのは新留さんの楽曲が多かったことと、そのどれもが従来のmotkのイメージを覆すものであり乍ら今後のmotkを大いに期待させるものだったことだ。ライヴにおいてもそれは展開される筈で、それがこの配置換えに繋がったのかなと思う。
飛田さんの掌から鈴の音が静かに響く。一曲目はアルバム最終曲である「Shapeless Man」。オープニングの出音が飛田さんというのも新鮮。Jordan Dreyerのポエトリーリーディングはサンプリングで。テキストはスクリーンにVJで。瞬時にフロアはmotkカラーに染まるも、なかなかライヴ招聘が難しいゲストが多い今回のアルバムの楽曲をどう表現するのかなという興味も膨らむ。
初披露の曲も多く、いつにも増して緊張度が高い。二曲目の「spectres de mouse」 では清田さんが些細なミスタッチをきっかけにリズムから弾きとばされてしまった。なんとかもちなおすも中盤の「最後の晩餐」で同様のズレが生じ、清田さんがしばらくおいてけぼり状態になるというかなり危うい演奏になった。清田さんは(ちょ、待って)(どうしよう)といった表情であとのふたりを見やるが、川浮ウんは鬼の形相、新留さんは目を閉じて演奏に没入しているので気が付いていない。気付いていたとしても走り出した曲をとめることはしない(笑)。……まあ、ほらこのひとら出身がハードコアだから。徹底した個人主義に拠るパンクですからして、各々が自力でなんとかするしかありませんね。いつもなら心地よくすらあるmotkのテンションに、こんなにヒヤヒヤしたことはなかったわ……。
一方川浮ウんがシンセのパターンにドラムを合わせる導入の「Clarity」(音源にはない佐々木さんのソロが素晴らしかった)では頭出しが合わず、最初からやりなおす場面も。普段ならどうした的な歓声がとぶところだが、川浮ウんがクスリともせずラップトップを操作しているので、とてもじゃないが誰も茶化せない。フロアは固唾を呑んで様子を見守っている。「Time」ではなんと新留さんがギターを演奏、フロアの視線が一気に下手側へ。音源ではCHONのMario Camarenaがフィーチャーされた楽曲です。そのマリオのギターを完コピ……いうのは簡単だが、フィーチャーされるようなギタリストのそれをそうやすやすと完コピ出来るわけないだろう! しかしちゃんと形になってたところは流石です。もともとドラマーのとこ鍵盤にコンバートして、今度はギターかよ。すげえな新留さん。終わったあと頭から湯気が出てそうな風貌になってました。「ギターうまいよー!」とヤジがとび、ここでフロアもステージ側もちょっとひと息つけた感じか。このときばかりはヤジに感謝したよ。
ちなみにLITE井澤さんのinstaによると、この日新留さんが使ったギターは楠本さんのものだったとのこと。ギター持ってないところから(いやまあバンドマンですから心得はあったかも知れないが)あそこ迄弾けるようになってたところに、新留さん本人の努力と川浮ウんの特訓というかシゴ以下略の程が窺えます……いやはや。
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06月15日(金)
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