ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『オトナの銀英伝ナイト Part1〜ヴァーチャル・ヒストリー「銀河英雄伝説」の世界〜』
『オトナの銀英伝ナイト Part1〜ヴァーチャル・ヒストリー「銀河英雄伝説」の世界〜』@六本木 Bee Hive
発表時のアオリが「卿にはこの会に参加する資格はあるか」とか「コアファン必見」とかハードル高くて、うへー怖い、私参加する資格なくね…?と思ったんですが、構成演出がスズカツさんだと言うので思い切ってチケットとりましたヨ!て言うか自分の親しんでる分野に好きなひとが乗り込んでくると結構狼狽えますね…マジでビックリした……ザズゥシアターにヨタロウさん初参加したときくらいヒーッてなりました。
ここで個人の情報を語っておくと、原作はノベルスの三巻辺り(巻数表記がアラビア数字ではなくローマ数字だった)からリアルタイムで読んでいて、好きなキャラクターはシェーンコップとロイエンタールです。フリカッセって料理を初めて知ったのはこの作品の白兵戦描写からですヨー、人肉フリカッセ!で、八巻でヤンが、九巻でロイエンタールが死んじゃったことにガックリきて最終巻を数年読めなかったん…です……よ………。ずるずる読まずにいるうちにシェーンコップも死んじゃうよーと噂も耳にし、ますます手が伸びなくなる。結局読了したのはいつだったか。相当ブランクあった。
その後展開されたアニメやら舞台やら宝塚やらパチンコ(パチンコにもなってたんだよ、すごいよね!)やらは通っていません。原作が好き過ぎて他は認めないわ!ってことは別にない…のですが、なんか、手が出なかった……。と言う程度のファンです。あーでも、清原昌美/赤坂好美さんにはとても影響を受けました。と言うか、男子バレーから知ったこの方の現在の活動、ってことで銀英伝と出会ったんだもの。田舎の女子高生にすごく親切にいろんなことを教えてくださった(当時はwebなんかないから手紙でな!)。今でもこの方の絵でキャラクターが動くと言っても過言ではない。
ああもうここらへん、わかるひとにはわかるとしか言えないですハハハハハ。そんなレベルのファンが書いた感想だと言うことをお含みおきください(こわごわ)。
で、今回の公演は原作テキスト好きには結構しっくりくるもので楽しかった。自分の持っているヴィジュアル情報が少ない(それこそ清原さんの絵くらいしか・笑)ので、登場人物を自分の好きな顔で想像して聞けるヨー!第一巻『黎明篇』を主軸に、物語の歴史解説とヤン語録で構成されたテキストを陰山泰さんが朗読し、効果音や音楽を大嶋吾郎さん、木戸やすひろさん、久保田陽子さん、鈴木佐江子さんらのコーラスグループがつけていくと言うライヴ感溢れる構成。近年サラヴァ東京でスズカツさんが開催しているリーディングシアターのノウハウが活かされていました。得意とするカット&ペーストの構成力にも唸る。
ヤン語録で構成されているので同盟視点からの内容。こうなると帝国側の登場人物の言葉で構成されたものも観たくなる。登場人物はそりゃもうものすごい数なうえ、皆さん数多の名言を残しているとくる。シリーズ化を期待するなと言う方が無理ですね。壮大な物語のダイジェストを見せるのではなく(スズカツさん曰く「そんなの無理!」)クロニクル紹介によってその後の展開に思いを馳せることが出来た今回の構成は、絶妙な作品のプレゼンテーションにもなっていました。
個人的には原作を読んでいた当時より切迫感が強くなった箇所もありました。勿論、そこを教訓が〜とか啓蒙が〜とは思いません。自分のなかで戦争の予感が近くなっているから気になるのだろうな。本文中に出てくる単語を淡々と並べて行くシーンがあったのですが、その単語ひとつでパッとその場所の様子や人物、階級や家族がぞろぞろ数珠繋ぎで思い出されていく脳内ゲームも楽しめました。それこそ途中から「フリカッセって言わないかなー」なんて思ってた(笑)。あとやっぱ「ムライ」は異彩を放つのですごく耳が惹き付けられる(笑)。
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03月25日(火)
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