ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ダンシング・クィーン』
『ダンシング・クィーン』@キネカ大森 シアター3

えー、ウチのtwitterを見て下さってる方はご存知でしょうが、『新しき世界』でチョン・チョン役を演じたファン・ジョンミンさんにすっかり魅了されており、過去作品をディグっている現在です。この作品は2012年の作品。日本では2013年に公開され、既にDVDを購入済みだってのですが、今このタイミングで映画館にかかってるなら映画館で観たいわ!と大森に出掛けていきました。原題は『댄싱퀸(ダンシング・クィーン)』、英題は『Dancing Queen』。

前置き長くなりますが(いつもか)、わたくし最初にこの役者さんを認識したのが『新しき世界』な訳ですよ。プロフィールや作品紹介に悉く「実力派」と書かれており、これは『新しき世界』だけを観ても納得の言葉なのですが、出演が決まった時点で「実力派三人の共演が話題に」と騒がれたそうなのですね。となるとこれ迄どんな仕事を…?と気になってくる。調べてみて驚いた。キャリアスタートは舞台。『CATS』(ユダ)から『NINE』(グイド)、『ラ・マンチャの男』(セルバンテス/ドン・キホーテ)と言った名作ミュージカルから『笑の大学』(劇作家)と言ったストレートプレイ迄出演している。この「タイトル、役名を聞いただけでピンとくる」っぷり…相当じゃないの。こういうとこ、舞台作品のスタンダードを実感するところです。

そして出演作品を追うごとにだんだん気付いてきた…『新しき世界』で演じた役柄は、この役者さんのほんの一面に過ぎないと言うことを。観る作品観る作品(DVDで観た作品の感想もおいおい書いていきたい)タイプの違う役ばかり。驚きとともにますます沼にはまっている次第ですヨ!そんななか観た『ダンシング・クィーン』は……?

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ちょう上質エンタメコメディでした、これはめっけもん!皆でハラハラドキドキ楽しめて、終わったときには拍手したくなるような作品でした。客席のあちこちから笑い声も聴こえて楽しかった、映画館で観られてよかった!

人生に大切なものって何だろう?ちいさいけれどだいじなもの、夢を諦めないこと。見ているひとはいる、認めてくれるひとは絶対にいる。遺恨が残らず、清々しくフィナーレを迎えられるのも嬉しい作品です。主要キャストが役名=本(芸)名ってところも楽しめた。ファン・ジョンミンさんはファン・ジョンミン役、オム・ジョンファさんはオム・ジョンファ役。この当て書きと思ってくださって結構ですと言う仕掛けが利いてます。

歌と踊りが得意な町のマドンナジョンファ。スカウトを受けたその晩とある事件に巻き込まれ、幼なじみのジョンミンと離れられなくなる。名刺をくれたプロデューサーへ連絡するきっかけを失ったまま、ジョンファはジョンミンと結婚。ジョンミンは七年かかって司法試験に合格、弁護士になるが、ひとのよさが災いして損ばかり。ジョンファはエアロビの講師をしたり親から借金をして夫を支え、妊娠、出産、子育てと怒濤の日々を送ります。この流れ、モンタージュで構成したスピーディな展開がとても効果的です。

あれよあれよと大きな波に巻き込まれ、あれ?私は何がしたかったんだっけ?私の夢は何だったっけ…?なんて数年後にふと思い出す。前回『新しき世界』の感想で「外国の映画を観ると言うことは、作品を通してその国の文化や慣習を知ることでもある」と書いたけど、同時に、どの国も同じなんだなと感じることもある。そしてそれが親近感になる。

さてそのジョンファの「夢」は、ひょんなことから再び実現への道が開けます。アイドルになれるかも!ところが同じ頃、ジョンミンもソウル市長選挙に立候補することに。ふたりの「夢」は叶うのか?


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03月21日(金)
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