ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』先行上映+レオス・カラックスQ&A
・「鑑賞は二回めなのですが」「私も二回めの鑑賞ですが」……全通の猛者もいたのかもしれない(笑)

・ベイビー・アネットの制作者/人形遣い(エステル・シャルリエとロミュアルド・コリネ)が本当に大好きなことが伝わった。公開時も「出演者もスタッフも、みんながアネットに恋をした」っていっていたものね
・「ベイビー・アネットのシーンは本当は使う予定じゃなかった」という話を受けて、矢田部さんが「残してくれて本当によかった、有難うといいたいです」って。深く頷いたよ……(思い出して今また泣いてる)
・ANNETTE PUPPET┃la pendue & Estelle Charlier
シャルリエとコリネの人形劇団『ラ・パンデュ』のサイト。アネットの制作プロセスやドキュメンタリーが掲載されています

・「人生を振り返ってみると、映画を作っていない、作れない時期の方が長かった。それでもいいかなと思っている」。実感がこもりすぎててドスンときた言葉
・「映画を発表してない期間が長いからといって何もしてない訳じゃない、ずっと準備をしている。構想を練ったり、協力してくれるひとと会ったり、毎日仕事はしている」ともいってた。これ『アネット』のときもいってたな…ですよね日々創作してるんですよね……

・ビノシュ、エスコフィエとの別れについての質問は、質問者も慎重に言葉を選んで話していた。「全作品観ています、失礼な質問かもしれませんが、興味本位ではないことをご理解ください。作品を観るうえでどうしても気になっていることです。答えたくなければそれでも構いませんので……」といった感じ。通訳者もかなり気を遣ったんじゃないかな。矢田部さんも真顔になり、客席中に緊張感が走ってました。「ゆ、勇者……」って感じ
・長い沈黙のあと、ふう、とひと息ついて「……それが人生ですよね。皆さんもそうでしょう」と答えたのが印象的だった
・「兄のような存在だった」エスコフィエの死と、カラックスがフィルムからデジタルの撮影にすんなりと移行した(ように感じる)ことは繋がっているのだろう。「私はフィルムはエスコフィエと撮るから」といった
・てかデイリーさん、一連の答えの最後に「(笑顔に)」って書いててすごい読者への配慮が感じられる。わかってる〜というか。いい記者さん!

・「カオスの中で生きていると、一緒に何かを作ってくれる人たちが出てくる。そのカオスを理解してくれる、共有してくれる人が出てきて、私がカオスに形を与えることを助けてくれる」。創作は孤独なものだけど、映画はひとりではつくれない。そしてカラックスのもとにはひとが集まってくる。しみじみ

・作品と「孤児」の関係について。確かにカラックスの作品は両親がもともといない、母親は死に父親は破滅し、といったものばかりだが、指摘された本人は「それは知らなかった」なんていう
・しかし続けて孤児になりたかったこと、名前を変えたことを話し、全ての子どもが姓を自分で選び、変えることが許されればいいと断言していた
・「作者は殆ど死んでいるような昔の映画も、映画館に行けばそこにあった。映画は美しい墓場のように感じた」とも。彼にとって映画が親なのだ

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・『カンヌ映画祭2024日記 Day6』矢田部吉彦┃note
(2024年)「カンヌ・プレミア」部門で、レオス・カラックス監督新作『It's Not Me』。(中略)上映の前に、係の人が「クレジット後にサプライズがありますので、そのままお残り下さい」とアナウンス。昨日のプレミア上映ではティエリー・フレモー氏が言ったらしい。フランスの観客は本編が終わると速攻で席を立つので、そう言っておかないと逃してしまうのだ。そして、そのサプライズのサプライズたるや!これは本当に驚いたというか、幸せだった!どんなに予想しても絶対に当たらないと思うので、もし日本で見られる機会が訪れたら、本当に楽しみにしてもらいたい!
ホントそうだった、絶対クレジット流れ始めても席を立たないで! 涙ドー


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03月24日(月)
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