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by kai
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■彩の国さいたま芸術劇場開館30周年特別企画『夏の夜の夢』
テーマに使われていた曲はガーシュインのアリア「Summertime」。BGMとして使用されるだけではなく、小姓との再会のシーンではタイテーニアがアカペラで唄い上げる。次世代が広く自由な世界へと羽ばたいていくことを祈る、黒人移民たちの歌でもある。単に夏というキーワードだけで起用された曲ではないのは明らか。キングの「Stand by Me」も同様で、絶妙なアクセントになっていた。子どもの誕生により結婚への疑問や不安が救済されるという描写には「ここはこれ見よがしだな……」と思ったものの、次世代へ希望を託すという意味合いだと解釈することが出来る。
諍いを派手に見せられる本水使いも効果的。登場人物たちは舞台中央に設えられたプールで水浴し、入浴し、取っ組み合いをする。その前後の所作もうまく、濡れた服を脱ぐ、その服をしぼり乍ら喋ることでいい塩梅の間が生まれ、台詞を自然な会話として聴くことが出来る。恋人たちの衣裳も、男性陣はそっくり(区別がつきにくい)、女性陣はひみつのアッコちゃん風(!?)ハーミアとヒッピールックなヘレナ、というメリハリが面白かった。
その背景を想像させる、金子久美子演じる蛾の羽根の不憫かわいさにとても惹かれた。役柄のけなげさが伝わるの。フルートと劇中劇のシスビーを演じた大河原啓介もかわいらしかったです。ネクスト組の堀源起が、その声の通りを生かして劇中劇の開幕を宣言する饗宴係を演じていたことにもにっこり。今回は「彩の国さいたま芸術劇場開館30周年特別企画」。ということは、「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」ではどう上演するのかな。今回のキャストでまた観たいなー。
エンドテーマはジョンレノンの「Happy Chrismas」。夏と冬、虚構と現実を繋ぎ大団円。それにしたって皆さんべしょべしょ。風邪ひきませんように! 床も滑るから怪我しませんように、皆さん無事千秋楽を迎えられますように! よいお年をー!(といいたくなるが年末進行で仕事は全く片付いていない現実)
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・真冬に観た『四谷怪談』もよかったよなー、忠臣蔵にも絡む話だから年末上演にも合うよね〜なんて思い出していたら、12月14日は赤穂浪士討ち入りの日だったのでした
・そういえば、バリの森というか密林を舞台にした『夏の夜の夢[バリ島風神秘主義的沙翁喜劇]』を横浜ボートシアターの座組で観たなあ。調べたら1992年だった。32年前(!)。当時シアターコクーンは串田和美が芸術監督で、毎年夏というか夏至の頃に『夏の夜の夢』を上演するのを恒例にしていた。インドネシアからも楽士と精霊たちのキャストを迎えて、湿度の高さを感じる舞台で面白かった。中村梅雀のパック、篠井英介のタイテーニア、長野里美のハーミアが印象に残っている
・刷り込みといえば。ZAZOUS THEATER『ソカ』のおかげでジョン・レノンの「Happy Chrismas」がエンディングで使われるとすごい複雑な余韻を生みますよね……両方観てるひとに伝われ〜。レノンは「Stand by Me」もカヴァーしてましたね
12月14日(土)
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