ID:43818
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by kai
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■菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール『天使乃恥部』Day 2
「小鳥たちのために II」で堀米さんと林さんが叩き出す天使の鉄槌のような和音に慄き、「キリング・タイム」で田中さんと大儀見さんのセッションと、そこに展開のカウントを挿入する菊地さんのやりとりに涙する。そう、なんか泣いてしまった! そこには音楽しかない、あまりに美しい情景でな……伝われ〜! 美しいといえば菊地さんと早川さんと鳥越さん、田島さんと関口さんのユニゾンも。「アンリ・ルフェーブル」のユニゾンのスリリングなこと。これ完奏したときの、緊張のリリースっぷりがすごかった。DCPRGで「Circle/Line」を初めて完奏したときってこんな感じだったのかなあなんて思ってしまった。

新譜が出ない間、現在の編成でレパートリーに磨きをかけた。新音楽制作工房設立が、新しい風を吹き込んだ。これから新曲を磨いていく。ますますエレガントに、獰猛になるときが来た。馴れ合うことなく、「プライベートとか全っ然知らない」演者たちが、一堂に会したときにしか現れない音。そこに居合わせられるのは、決して当たり前なことではない。同じ時代に生まれてよかった。やがてこの楽団は消え、聴衆も消えてしまうのだ。しかし、音楽は残る。それを目撃出来る人間は誰もいない。永遠という言葉は、なんて残酷で甘美なものなのだろう。

この日の謝辞。まず、タキシードを誂えてくれた CLORK ROOMのテーラー、島田正史氏。続いて新音楽制作工房の面々(「アンリ・ルフェーブル」作曲者・丹羽武史氏、「闘争のエチカの歌」共作者・高橋大地氏、PTAに電化をもたらしたSatō氏。皆若い!)。そして、全ての始まりとなったブエノスアイレスの旅をセッティングした編集者・小谷知也氏、撮影者・在本彌生氏。菊地さんがこちらに手を差し伸べるから何? と思ったら真後ろの席のふたりが立ち上がったのでビックリした(笑)。クスクス笑ってらした。小鳥みたいだった。

告知含め沢山話すことがあったので、アンコールは1曲。「おやすみなさい」に続く全ての言葉に胸を衝かれる。全てのひとが安らかに、幸せに眠りにつくことを祈り乍ら、おやすみなさい。

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setlist

01. 闘争のエチカの歌
02. 京マチ子の夜
03. 私が選んだ貴方への頌歌
04. 小鳥たちのために II
05. アンリ・ルフェーブル
06. 嵐が丘
07. 色悪
08. キリング・タイム
09. ルぺ・ベレスの葬儀
encore
10. 天使乃恥部

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・菊地成孔さんからの手紙。┃Esquire編集部より。
ログ残ってた、全てのはじまり

・加入した頃は学生みたいだった早川くんの髪に白いものが混じり始めたのを見て時間を感じたみたいなこといってたなあ。しみじみ

・背後に天才(鳥越)がいる恐怖について。見えないところで色々やり出す、そしていつ何やるかわからないから怖いと。視界に入らない(背後なので)ためメンバー紹介を忘れる。客席から「鳥越さん!」「鳥越さん忘れてる!」と声が飛ぶ。一触即発なステージと客席で、たまーにこういうやりとりがあるところにちいさな幸せ

・新曲には関口さんのソロだけでなく、関口さんと田島さん、関口さんと舘泉さんのコンビネーションもフィーチャーされていたように感じました。「ガン○ム景気で雇用出来た、全員小学生の」(嘘)カルテットが楽団に加わってもう7年というところか。それ迄入れ替わり立ち替わりだったストリングセクションが、彼らによって定着した。新曲は彼らのために書き下ろされた曲ともいえるかな

・週末の銀座はどこも激混み。コリドー通りってこんなにチャラ箱あったんだ、昼間に通っても気づかないものだわ(笑)。結局ひと駅分歩き、新橋駅前ビル1号館の呑み処 圭で打ち上げ。ここ旨かったな……旨いところに鼻が利くひとがいる有難さよ

10月25日(金)
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