ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ランサム 非公式作戦』
外交官はハ・ジョンウ。タクシー運転手はチュ・ジフン。『神と共に』のふたりですがな。いいコンビ〜! 期せずしてバディを組むことにな李、騙したり騙されたりしつつ、最後はお互いを「信じる」。空港に「TRUST ME」って書かれたタクシーが見えた瞬間泣きそうになったもんね! そういえば『神と共に』(因と縁の方)の方に「悪い人間はいない、悪い環境があるだけだ」という台詞があったわね……このふたり、カンニムとヘウォンメク生まれ変わりなの? という妄想も膨らみますね……楽しいね! ハジョッシの出演作って大概彼の演説シーンがあるんですが、まーホントに声がよい。ヒアリング出来ないのに聴き入ってしまう。そしてモッパンシーンですよね。序盤に早速出てきてニコニコしましたが、中盤疲れちゃって「食欲ない」とかいいだすシーンもあってええっ食べなよ! などと思う。食欲があるとこちらも安心する(笑)。
しっかしジフニはかっこいいね。身のこなしがいちいち美しい。かなり姑息なこともするけど憎めない。ひとたらしだわ〜。そんな子から「ヒョン〜!」とかいわれてみい、そりゃハジョッシもほだされますよ。役と本人がごっちゃになっている。そんなスカした子が何故この国にいるのか、なんで密入国なんかしたんだって話でベトナムとかアフガニスタン派兵のことが話題に出てくるんだけど、短くさりげないシーン乍ら深刻さが伝わったのは、ジフニの存在に説得力があったから。彼女がいるのもらしいというか、そんでその彼女に怒られてお金返しに行くところ、自分が出国するときちゃんと彼女も連れて行けるよう頼むところもジフニや〜といいたくなる魅力でございました。
そして外務部長官役のキム・ジョンス。公務員の矜持を見せてくれるいい役。事務次官たちとのシーンには涙出た……。ここ数作観ている作品全部にキム・ジョンスが出ている気がする。極悪人だったり義に厚いおじちゃんだったり、幅広い役柄を印象的に演じている。気になる存在。
密入国者、『極限境界線』にもいたなあ。実際こういうひとはポツポツいて、故郷に帰りたいけど帰れずにしぶとく生きてるんだろうなと思わせられました。「外交部の使命は人命を守ること」。健気な書記官たちや、世間から評価も感謝もされづらい公務員という仕事を描いているところもも両作に通じる。娯楽作にもちゃんと問題提起がある。それでいてエンタメの楽しさも詰まっているところがすごい。めちゃめちゃアクションあったな! しかも珍しいやつ。狭い道ガリガリとか天秤ワイヤーとか(見ればわかる)。冒頭ツイートにも書いたけど、一難去ってまた一難が50回くらいあった気がする。数分毎にドキドキハラハラ、体感時間は短かったけどドッと疲れた(笑)。
それにしても、そもそもはこの外交官が日本人に間違われて誘拐されたってのがさ……。ここら辺の真偽はわかりませんが、有り得るだけに妙な説得力。モブの風景で顕著でしたが、中東の雑踏を東洋人が歩いていると本当に目立つ。服装が違うというのもあるが、とにかく顔立ちが違う。その景色から浮き上がるような錯覚さえ覚える程だ。そして現地のひとに日本人と韓国人の区別がつくとは到底思えず……。やっぱり日本と韓国は近くて近い国。
何げに動物いっぱい出てて、犬=最後には助けてくれる、羊=結果的に助けてくれる、猫=何もしない、てのがまたよかった。犬といえば、「ケーセッキヤー」って台詞すっごい出てきたな(笑)。『新しき世界』育ちにつき、挨拶以外で最初に覚えた韓国語がこれだといっても過言ではありませんが(…)、ヤクザならまだしも任務遂行に励む公務員からこんだけこの言葉を聞くとは。人前ではいっちゃいけないといわれているスラングですが、それだけポピュラーないいまわしなんですね。でも今回犬に助けられたじゃん! 犬いいやつ! 敬意を払おう!(笑)
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・ランサム 非公式作戦┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております! パンフレットにはレバノン側のキャストが全く載っていなかったので助かる!
・踏み倒された身代金 映画「ランサム」裏話┃一松書院のブログ
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09月16日(月)
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