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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ジャズピアニスト・エレジー 南博Special「白鍵と黒鍵の間に」ライヴ アット 新宿ピットイン』
冨永:音楽は先に録音しました。それに合わせて役者さんたちが演奏するシーンを撮りました
村井:じゃあ、音楽が先に制作されたんですね
魚返:映像がない状態で作るのでたいへんだったところもあります。作品で描かれている当時のことは知らなくて、というかまだ生まれていなくて……(場内笑いとどよめき)
村井:池松(壮亮)さんが最後に演奏なさるシーンは……
冨永:実際に池松さんが弾いています
村井:常に音楽が流れていますよね。所謂キャバレー、クラブの演奏シーンだけでなく、登場人物同士がただしゃべっているシーンでも、楽器を演奏し乍ら話している
冨永:だから池松さんの仕事がより増えてたいへんになる(笑)
村井:松丸契さん出演の経緯は?
冨永:彼の作品のMVを撮っていたので、その縁もあって。原作に「K」って人物が出てくるんですよね。松丸くん、名前が契だし。K助って名前にしようと。で、出てよ〜とかいってて、でもなかなか制作が進まなくて何年か経って、忘れた頃に、ライヴが終わって上機嫌なときの彼に会いに行って楽屋で出演の了承をもらいました(笑)。
村井:役者をではなく本職のミュージシャンを選んだのは?
冨永:音楽に関する映画なので、役者さんに楽器の演奏を覚えてもらうより、ミュージシャンに台詞を憶えてもらう方がいいというか。演奏シーンはごまかしが効かないので
村井:松丸さん、よかったですよね。堂々とした存在感で
冨永:クリスタル・ケイさんは勿論本職ですし、高橋和也さんもバンドマン。佐野さんはギターで音楽活動されてて、ピアノはやらないけど音楽のことをよく知っている。そういう方に出てもらえてよかったです
南:(演奏シーン)オシャレでしたね。実際の現場はもっと雑然としていて、うるさかったです。その筋の方から断れないリクエストがきて、急いで譜面を書いてぶっつけで演奏して終始慌ただしかった。お客は一緒になって唄ったり怒鳴ったり……皆酔っ払ってるし。聴こえるように弾かないといけないのですごく大きくハッキリとした演奏をしていましたね
冨永:(「アキラのズンドコ節」という選曲)80年代に来ているお客ということは、50年代生まれくらいで、そのひとたちが好きそうで、オシャレでもいける曲ということで選びました
村井:(南さんの師匠である)宅孝二さんとのエピソードも印象的でした
南:東京芸大の教授だった方ですが、ジャズが好きで、キャバレーで弾いているところを見つかって、学校とケンカになってやめちゃったひとです
村井:当時ってやっぱりクラシック畑のひとがジャズをやるって珍しかったんですか?
南:珍しいっていうか、とんでもない! って感じ。柳家小三治さんがジャズ好きでね、遊びに行ったキャバレーで宅さんが弾いてて「あれー、どっかで……宅さん!?」「そうです」つってバレちゃった(笑)
魚返さんがエレピに向かおうとするところ、南さんが「こっち(グランドピアノ)で弾きなよ」と手招き。サントラから「Coming Now」を演奏。シャープで軽やかな音と指運び。その後魚返さん=エレピ、南さん=グランドピアノでデュオ演奏。南さんリラックス、魚返さん緊張感。
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■第二部『小説・原作にまつわるマル秘語らい』
南さんが映画『道』から「ジェルソミーナ」を演奏。素晴らしかったな……しみじみ。
菊地:今となっては珍しい、今日は俺がいちばん歳下の現場です(笑)
村井:原作のもとになる文章は最初から読んでいたんですよね
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02月03日(土)
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