ID:43818
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by kai
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■『無駄な抵抗』
前川作品は、観るたびに、他者への想像力を広げてくれる「ケア」の思想を感じます。
前川さんと、英米文学者・小川公代さんの対話。他者に対してわかった気にならない、「ネガティブ・ケイパビリティ」について、「ケア」について。わからないことが想像力を拡げ、ケアに繋がるというこの考え方は好きだなあ

・劇作家/演出家・前川知大「古典をベースに“わかりやすくない”物語を届ける」【創造の挑戦者たち#83】┃Pen Online
まだ意識的に言語化できていない無意識下にあるものを、モヤモヤした状態のままの言葉で渡すと、スタッフ、俳優、お客さんの意識をすり抜けて無意識まで届く、という気がしています。
こちらでも「ネガティブ・ケイパビリティ」の話。「で、何が正解?」という言葉が苦手なのだが(というか反射で「うっせーバカ」といいそうになる)、それはこういうことなのかもしれない。なんでもかんでも答えがあると思うなよ、というのが好きなんですね。ワタシは

・鴻上尚史が「地下鉄サリン事件(1995年)を境にアンケート(作品に対する感想等)の様相がガラリと変わった。わかりやすいものを求めるようになり、わからないものに不安や恐怖を感じるようになった」といっていたが、確かにここが境目なのかもしれない

・前川さんが書いているのか稽古の過程でそうなるのか判らないけど、イキウメ(今回はSePT制作だが)作品の女性の言葉遣いは台詞として聴こえないことがあって、それが好きなんだよなあ。前川作品観始めたのって2006年(赤堀雅秋演出の『散歩する侵略者』)からだけど、その時点で既にそうだった

・ちなみに千秋楽。観客の集中度も半端なく、凄くいい環境で観られました。これこれ、1階席から3階席迄、ピンと張りつめた空気。演劇の醍醐味

・というか行ける日が限られてて、千秋楽しかとれるところがなくてな……マチソワ(1日2公演)の日が1日しかなかったのね。演者(制作も)側の負担が減るのでいいことだと思うけど、その分チケットが取りづらくなるという。これからもこういうの増えそうねー

11月26日(日)
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