ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ザ・キラー』
まあそっからは失敗しなかったよね。えらいね! と背中をバンバン叩きたくなるような殺し屋ちゃんでした。殆どのシーンをひとり芝居で演じたマイケル・ファスベンダー素晴らしい。ここも膨大なモノローグと会話の相手が現れたときのリズムがよく、ファスベンダーとティルダ・スウィントンのダイアローグの心地よさといったらなかったです。ちなみにスウィントンが出てくる迄相当焦らされる。それも情報を小出しにされて、いちいち笑えるんだよね……「綿棒のような女」って喩えが秀逸。「スウィントンのことだ!」って観てる側はすぐ解るじゃないですか。綿棒のような女…綿棒のような女……いつ出てくる……と待つじゃないですか。で、ようやく彼女が姿を現すさまを遠景で捉え、そのすらりとした長身とちいさな頭、ブリーチしたプラチナブロンドを眺め、綿棒だーーー!!! てなるじゃないですか。巧い…巧すぎる……まんまと乗せられる……。
そうそう音楽についてもうひとつ。見事にシーンとスミスの歌詞が紐付けられている。たまたまスミスリスナーだったから気づいたってところもあるが(というかスミスがいっぱい流れるってんで観に行ったところもあるんだが)、英語が母語でヒアリングがスムースなひとからすればこれもうざいくらいだったのでは(笑)。ニヤニヤして聴いていましたが、エンドロールに入った瞬間には泣きそうになっちゃった。あんなにドタバタだったのに最後、あの、あの歌詞から連想される結末ってーーー! Netflixは本編終了前に広告が入る仕様があるそうで、邪魔されないように設定変更をしておこうと注意喚起されてる方がいらっしゃいました。ホントその通りよ! あのタイミングで広告入っちゃったら気分台無しだよ!!!
音も映像も解像度がたけーよ! 画素数多いよ! 錯覚だとしてもそう思わせる力が強く、デヴィッド・フィンチャー監督やっぱ大好きと思いました。フィンチャーの映画を観続けるためにも身体を鍛えよう! 三半規管はどうやって鍛えればいいの! ていうかフィンチャー、『ゴーン・ガール』以降は劇場公開作品ないんだよね確か。『Mank/マンク』もNetflixだし……今回劇場で観られてホントよかったです!
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・The Killer Soundtrack Guide: Every Song & When It Plays┃Screen Rant
使用曲と、どの場面でどの部分が流れるかのリスト。そうそうポーティスヘッドもあったのよ〜
・ザ・スミスがかかりまくる映画、『ザ・キラー』(“The Killer”)を観て - Action is my middle name┃かいなってぃーのMorrisseyブログ
スミスといえば、モリッシーといえばのかいなってぃーさんによる、微に入り細を穿つ解説。有難く拝読
・あと最後のターゲット(てか依頼人)の着てるTシャツがSUB POP。ウケる
・余談。狙撃のために潜んでいた場所がWeWorkだったんですが、経営破綻のニュースが出た翌日に観たのでセキュリティに問題があったからじゃないかと思った(ヒドい)
『ザ・キラー』あとフィンチャー監督って犬猫出すのが好きだよねえ、みんなかわいく撮られてる。猫が出てきたときは『ドラゴンタトゥーの女』思い出したひぃーとなったけど
(このポスターも格好よかった) pic.twitter.com/N9YO2du5pe― kai ☁ (@flower_lens) November 9, 2023
犬猫は無事でした。個人的には昨今の「犬は無事です」ムーブは苦手だけどな。というかネタバレにはすんごく厳しいのに犬だけどうだったか教えろとかムニャムニャ
11月08日(水)
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