ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『極限境界線 救出までの18日間』
そして常に緊張を緩和してくれた通訳役のカン・ギヨンがいい仕事! 生真面目な室長と頑固者の工作員の間を度胸とユーモアで立ち回る。どっか抜けてるところもあり……だってさあムチ打ちの刑の方がタリバンとの交渉通訳よりよっぽど安全だと思うよ? とはいうものの、いざというとき自殺出来る薬を自前で持っているところにワケありの背景。現地通訳の方も印象的。
それにつけても宗教というものは……と考える。信仰の厚いひと程、それを他者に与えたくなる。伝道したくなる。相手の信仰を不在のものにしてしまう。文化や慣習の違いを省みない。布教に出かけたために拉致されたことが問題視されたそうだが、イム監督のインタヴューによると、映画が公開されたことで、当時のことを知らなかった若年層から非難が再燃してしまったそうだ。“神”と向き合うにはタイマンで、が持論だが、“善きサマリア人”はそうはいかないのだろう。難しい問題。
イム監督とジョンミンさんは2001年の『ワイキキ・ブラザーズ』以来、20年ぶりのタッグ。緊迫感溢れる机上の交渉シーンと、アクションや爆破等、ダイナミックなシーンの対比が効果的。撮影監督はイ・スンフン。マジックアワーや砂漠の画(あとあの車列の撮り方!)は、ロジャー・ディーキンスを連想させた。意識したのかな? 撮影地はヨルダン。2023年の今、イスラエル・パレスチナ情勢は激化し、彼の地も無関係ではいられないだろう。もうこんな撮影は出来ないかもしれない。世界は分断され、ますます狭くなる。悲しいことに。
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あと通訳! カシムもだけど対策本部に詰めてた通訳さんもよかった。そしてやっぱりタイトル、原題ままの『交渉』でよかったように思う…ちなみにいちばん最初に出たこのポスターが好きでした pic.twitter.com/SMavKdu1Yy― kai ☁ (@flower_lens) October 27, 2023
邦題、昨年日本で公開されヒットした『モガディシュ 脱出までの14日間』の観客にリーチしたいという狙いがあったのかな。逆に混同しちゃいそう。『モガディシュ 救出までの18日間』『極限境界線 脱出までの14日間』になってても気付かなそう
・輝国山人の韓国映画 極限境界線 −救出までの18日間−
いつもお世話になっております。書記官の名前が分かって助かる
・2007年ターリバーン韓国人拉致事件┃Wikipedi
元の事件
・ファン・ジョンミン&ヒョンビン主演、映画「極限境界線 救出までの18日間」7月上旬からヨルダンで撮影を開始┃Kstyle
・ファン・ジョンミン、映画「極限境界線 救出までの18日間」の撮影を終えて帰国…新型コロナウイルスの検査結果は“陰性”┃Kstyle
撮影は2020年。ヨルダンでの長期ロケはただでさえたいへんなのに、感染対策等、前例のないことばかりで手探り状態だったとか。なかなか入国許可が出ず、なんとか現地に着いても隔離状態で撮影せねばならず、かなり苦労したそうです。
ところでKstyle、関連記事全てを初出の原題『交渉』から邦題に更新してる。結構な手間ですよね……気配り上手
・ヒョンビンの楽天的で荒い部分を引き出したかった―映画『極限境界線 救出までの18日間』イム・スルレ監督インタビュー┃SCREEN ONLINE
ファン・ジョンミンにきゅうりのキムチや玉ねぎの漬物の作り方を教えてあげたところ、彼も作っていました。
ははは。監督とジョンミンさんでキャストやスタッフに手づくりの食事を振舞ったりもしたそうですよ
・映画『極限境界線 救出までの18日間』予告編┃YouTube ギャガ公式チャンネル
日本版予告編
・[교섭] 공식 1차 예고편┃YouTube 플러스엠 엔터테인먼트
本国公式1次予告編。結構違いますね
・灼熱の砂漠メイキング映像「極限境界線 救出までの18日間」┃YouTube ギャガ公式チャンネル
いやもうおつかれさまです、無事公開されてよかった
10月27日(金)
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