ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■SPC 26th Anniversary 高橋徹也27thデビュー記念日『see the light 2023』
うれしかったのは、当時の曲だけでなく、山本さんが離れてからのナンバーも聴けたこと。後述のセットリストに収録アルバム併記してみたけど、初めて一緒に演奏したであろう曲が1/3くらいか? 「The Orchestra」は『a distant sea / 遠い海』でのストリングスアレンジが強く印象に残っていたので、ピアノとギターによるデュオアレンジには新鮮な驚きがありました。高橋さんと山本さんの“今”が結晶した美しさ。

「個人的にいちばん辛い時期に一緒に活動してくれた」「やりたいことがあるのでバンドを辞めたい、といってきたときも感謝しかなかった」「そもそもは鹿島さんが、鹿島さんときどきそういうとこあるんだけど(笑)『高橋、何もいわずこのひとと一緒にやってみてくれないか』と山本さんを連れてきた」「久しぶりに会ったので、リハの方が緊張していた。思い出話をしたりして。本番の方が自然にやれている」。貴重な話も沢山聴けました。「SPCは、南青山MANDALAでよくライヴをやっていたときに、吉祥寺にこんなところがあるんだよと紹介されて出るようになった」。同じMANDALAグループですからね。貴重といえば、「デビュー時に制作のひとがいろいろ考えてくれて、僕のイメージカラーを作ってくれたんです。それが緑だったんですねー」「それでこの色なんです(と『My Favourite Girl』のシングルを見せる)」という話は初めて聴いた。それに因み、この日の衣装は明るいグリーンのサマーセーター。「別に僕緑が好きって訳でもなかったんですけど」「ひとりなのにメンバーカラー(笑)」って自分でウケてました。

デビュー当時の話、「辛かった」時期の話、そして今。「今日は自然に話せた感じがします」「この身が果てる迄音楽を続けていきたい」「ずっと聴いてくれている方も、途中乗車の方も、分け隔てなく感謝しています」とポツリ。根拠不明の明るさを振りまくことをせず、静かに自らのキャリアを展望する。青い炎は高橋さんのなかにもあるのだと感じました。

「ピアノが入るとやっぱりいいですね」「僕の曲ってピアノが合うと思うんですよね」。確かに。このところsugarbeansさんが多忙を極めていることもあるのか、バンドセットでもピアノがないことが増えている。勿論G、B、Drsのトリオ編成ではロック、ジャズのスリリングで骨太のグルーヴを体感出来るところがたまらないのですが、どちらも聴きたいと思ってしまうところはありますね。ご本人もソロ、デュオ、バンドと、ライヴのカレンダーのバランスを考えているのかもしれません。

本編ラストの丸腰(っていうな)「八月の疾走」にも驚いた。以前も一度観たことあるような? でもそのときより開放感があったというか、照れてんじゃねーぞという決意が感じられました(笑)。スタンドマイクで、長い腕を振りまわして唄う。これも最新型の高橋徹也。かつて川島道行が初めてスタンドマイクで唄ったとき「丸腰!」「丸腰だ!」と騒いだものですが(ヒドい)、ギターが身体の一部になっているような印象のひとが楽器を手離して唄うと驚きますよね……いやいや格好よかったです。

昨年は「世界で3枚しかない」『怪物』テストプレス盤をじゃんけん大会でプレゼントしていましたが、今年は件のデビューシングル3枚(だったかな)を、「もらってってください!」と最前列のテーブルにピャーっと置いて帰って行かれました。ラブレターを渡す女子高生か。ちなみにこの日のタイトル“see the light”は、新曲「夢に生きて」の一節なのだとか。タイトルにしといて演奏しないというね(笑)。ソロで1回、バンドで1回しか披露されおらず、まだ聴けていません。いつ聴けるかな、憧れが新たにひとつ増えました。そういえば高橋さん、次回山本さんと共演するのはオリンピックの年にでも……といってたけど、これって4年に一回くらいという意味だったのかそれとも来年のことなのか。来年でも全然いいわよ〜! またの機会を待っています。

ところで「新しい世界」、1月の『高橋徹也 × 小林建樹』でもギターとピアノのデュオで演奏されましたよね。なんだか道場めいてきて面白いな……これからもいろんなひとのピアノで聴いてみたいです。

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"see the light 2023" setlist(高橋徹也 official Blogより)


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09月21日(木)
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