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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『虹む街の果て』
雨の番人は代替わりしている。先代は死んでしまったのだろうか? それをいったら、再会出来たと思っていた登場人物は皆代替わりしているじゃないか。果たして彼らは人類なのだろうか? 明らかに姿形が違う者も登場していたが、それらとの境目はどこにあるのだろう?
雨は降り続いている。人類が滅びたあともきっとゴキブリは生き延びる、これ真理。
くらしの風景には歌がある。皆が幸せそうに唄ったのはMadonnaの「Material Girl」とThe Specials(!!!)の「A Message to You, Rudy」。なんでや。マドンナはともかく。アメリカとイングランドの歌謡曲ともいえるこの2曲を、登場人物たちは母語ではない(恐らく第二、第三言語の)英語で唄う。出演者にはアメリカあるいはイギリス国籍のひとはいなかった(恐らく……恐らく)と思われる。以前欧米以外──アジアやアフリカ──で、Nikeやadidasといったスポーツブランドと同じくらいバンドTシャツが着られている、レッチリのTシャツなんてどこの国に行っても見る(バッタもんだがというオチがつく)、という話を聞いたことがあるが、ことほど左様に英米のポピュラーミュージック、そして英語という言語の影響力は巨大なものだ。しかしこれは、長い先の未来も変わらないだろうか? 言語や文化が入れ替わるか、人類が滅びるか、どちらが先だろう。なんてことも考えた。
終演後「『Material Girl』はパブ勤めの人物がカラオケの定番にしていた、という裏設定があるのかもね」なんて話したが、興味深かったのは、英語で唄われた両曲のうち「A Message to You, Rudy」にだけ英語と日本語の字幕がついたことだ。「未来のことを考えよう」というメッセージは、何げに強く優しく心に沁みた。
ごあいさつに始まりごあいさつに終わる。馬さんがメモを片手に一列に並んだ演者を紹介していく。同じ台詞が中国語で繰り返される。「上演は大変困難なことでした」「演出家が何をやりたいかわからず苦労したこともありました(ここ笑うとこ)」「でも、皆の笑顔に助けられました」。舞台上のモニターに映った日本語字幕は、最初も最後も同じものが流れたように思う。しかし馬さんは、始まりは「謝謝」といい、終わりは「再見」といった。「未来のことを考えよう」。遠い先の未来、いつかまた会えるといいな。
楽しいやら切ないやらの大団円〜(なのか?)いつかまた会いたいねえ pic.twitter.com/8ZwWPsasRB— kai ☁️ (@flower_lens) May 20, 2023
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・『虹む街』┃KAAT 神奈川芸術劇場
・『虹む街の果て』┃KAAT 神奈川芸術劇場
スタッフ・キャスト情報はこちらで。馬さんのお店行ってみたい〜
森下行ったのでベニサンピットってどうなったのかなと散歩がてら寄ってみたらマンションになってた。諸行無常 このお店は健在でうれしかった🍡 pic.twitter.com/6i9iXmS9mP— kai ☁️ (@flower_lens) May 3, 2023
おまけ。GWにベニサン・ピット跡地を見てきたのでした。このお店ずっとあるのよ〜ベニサンに通いつめていた頃アイスやお菓子買ったりしたよ。再開発でマンションが続々建てられている森下、このお店と公園は健在で嬉しかったな。ちょっと先の未来の光景を想像した
05月20日(土)
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