ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『全感覚祭 #NOWAR0305』
マヒトくんはこういっていたけれど、フライヤーには「当日の投げ銭ボックスは、経費を除きこの戦争で傷ついた人へ寄付をします。」と明記されていた。こちらもそれを承知の上で募金した。当日偶然近くを通って、事情を知らず募金をしたひとのことを考慮したのだろう。筋を通す。
進行の篠田ミルが定期的に「通行人の邪魔にならないように」「点字ブロックを踏まないように」「近隣のお店の迷惑にならないように」とアナウンスする。ときには「(飲食店で)おいしいものを食べ乍ら見るのもいいですよ」と、ユーモアを交えて話す。改札前にはJRの駅員が立っていて、通行人の質問(「何をやっているの?」)に応えつつ場を見守っている。公共の場で集会を開催するにあたり、キチンと許可をとり、普段からこの周辺で働いているひとたちとコミュニケーションをとっていることが窺えた。ここにも筋が通っている。
主催者がどういうデモを行いたいか、細心の注意と配慮を払っていると感じた。威圧感がなく、穏健なのが好もしかった。勿論怒りはある、主張したいことはある。しかしそれを撒き散らすことはしない。シュプレヒコールをしないのは、飛沫を撒き散らさないコロナ対策でもある。声をあげない代わりに拍手をする、プラカードを掲げる。プラカードは参加者が自主的につくったものもあれば、そのつくったものをアップロードして共有出来るようにしたものもあった(「#NOWAR0305 ネットプリント」で検索するとわんさか出てくる)。篠田さんもマヒトくんも、事情を知らない通行人に見えるようにボードを掲げてくれといった。青と黄色のウクライナカラーが、晴天の背景に映える。こういうアピールの仕方もあるのだ。配信用、媒体用の撮影がしっかり行われていることにも感心した。そうすることで、より多くのひとの目に留まる。
ロシアのウクライナ侵攻への抗議として新宿南口で行われたNO WAR 0305に、GEZANのメンバーから人手が必要と連絡が入り、何人か友人らに声をかけ手伝ってきた。
あらゆる配慮がなされ、理性的で秩序のとれた良い集会だったが、社会運動の難しさを実感する出来事があったので備忘録を残しておく(1/13) pic.twitter.com/ZbUlnTt0Yl― ■■■U?■■■ (@isobemu) March 6, 2022
ボランティアスタッフの方のツイート。スレッド全部読んでほしい。
前方に、プーチンの顔写真のコラージュと攻撃的な文言が書かれたプラカードを持ったひとがいたが、途中からいなくなった。この日は各所で多くのデモが開催されており、そこから流れてきたひともいたようだった。転換時、遠くから拡声器を使ったような声が聞こえるなあと思っていたが、村井康司さんのツイートによると、新宿駅だけでもこんな感じだったらしい。スタッフの方のこういった地道な活動が、場を守っていたのだともいえる。
参加したひとの思いはバラバラだ。そして、モヤモヤしている。七尾旅人や大友良英がいったように、ロシアだけが悪いのではない。そして、ロシアの文化を否定する謂れはない。戦争によって「傷つき、危機的な状況に置かれている人たち」は、どちらの国にもいるのだ。共通して止めなければならないのは、罪のない市民の命と住居が奪われること、歴史を物語る文化財や自然が破壊されること。守らなければならないのは、こどもや、ペットや、動物園の動物たちや、野に生きているあらゆるいきものの命。そして侵略に反対する人々の声が認められ、その安全が守られることだ。
折坂悠太は「どんどんモヤモヤすればいいと思います」といった。「(それぞれがバラバラな考えを持ったまま)まとまらないことが戦争っていう大きい結論に対抗する手段じゃないかなというふうに思います。ない答えを考え続けましょう。この世界を、ちょっとマシなものにしましょう」(後述リンク参照)という言葉が自分にはしっくりきた。方法は種々あるが、これからもコミットしていくことに決めた。
「そんなことをしても何にもなりませんよ〜」と声をかけ乍ら去っていく通行人がひとりいた。意外と気にならない。そんな冷笑に対して使う感情も時間も勿体ないからだ。ステージから、ウクライナ在住の方の「応援してくださる人がいることが希望の光だ」というメッセージが代読された。
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03月05日(土)
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