ID:43818
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by kai
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■『シュツットガルト・バレエ団の輝けるスター達』Aプロ
『シュツットガルト・バレエ団の輝けるスター達』Aプロ@東京文化会館

シュツットガルト・バレエ団ガラ初日。140人の大所帯での公演がコロナで中止、プリンシパルたち12人のチームで来てくれた。着いたその日に地震があったし、初日の緊張もあったか作品によって出来がバラついてた印象だったけど、これからよくなるかな。来てくれて有難う😭 pic.twitter.com/wXsRAGFaeR— kai ☁ (@flower_lens) March 19, 2022
直前にひとり来られなくなったので、正確にはダンサー11人と芸術監督のタマシュ・デートリッヒの12人。幕が上がると同時に割れんばかりの拍手。開演前に降り出した雨のような響きだった。

シュツットガルト・バレエ。ドイツの本拠地でしか上演が許可されていないベジャールのボレロを、メロディ=フリーデマン・フォーゲル、リズム=東京バレエ団の共演で観られて感無量。どちらのバレエ団も上演権持ってるから出来たことでもある。フォーゲルのメロディはギエムに近いタイプ、よかった…… pic.twitter.com/un3h7ybj3Q— kai ☁ (@flower_lens) March 19, 2022
笑顔でボレロ踊るひと初めて観ましたわ……そういう意味でも衝撃であった。しなやかで正確、明快、音楽のリズムと動きがピタリと合う。爽やかさすら感じられる。リズムのダンサーたちと視線を交わし、コミュニケーションをとる余裕すら感じられた。カーテンコールでの肌に光る汗と、胸の呼吸の動きに「白鳥」を思う。あんなに優雅に踊っていたように見えたのに。いやあ、本当にベジャールの『ボレロ』はダンサーによって姿を変える。と同時に、ダンサーをベジャールの『ボレロ』へと呑み込んでしまう。だから何度でも、さまざまなダンサーの『ボレロ』を観たくなるのだ。

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本当は『眠れる森の美女』と『オネーギン』の通し公演が予定されていたのでした。しかし彼らは来日公演を諦めなかった。長年培われたバレエ団とNBSの信頼関係があって実現したガラでもあります。それはベジャール財団とNBSとの関係においても同様で、フォーゲルが東京で『ボレロ』を踊ることに許可が出たのです。リズムは人数が多いこともあり、全員のクレジットはなかったのですが、池本祥真もいた。豪華。

それにしても、メンバーが到着した日の夜にあんな大きな地震がくるとは……。なんかもーこっちは感覚がおかしくなっていて慣れもあるのだが(よくない)、さぞ怖かっただろうな。ちなみにガブリエル・フィゲレドは出発直前に体調をくずし、来日出来なくなったことが3/15(火)に発表されました。そして当日になって、フォーゲルが自ら振付したソロ「Not in My Hands」がプログラムから外れてしまった。もともと「Not in〜」はAプロのみだったのだが、以降B、Cプロに入ることもなく、その他こまごまとした演目の変更があった。後述のインタヴューを読んで楽しみにしていたので残念だけど、バレエ公演では珍しいことではない。何よりダンサーのコンディションがだいじ。

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【Aプロ】

─ 第1部 ─

「春の水」
振付:アサフ・メッセレル
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
エリサ・バデネス、マルティ・フェルナンデス・パイシャ

「ソロ」
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
ヘンリック・エリクソン、アレッサンドロ・ジャクイント、マッテオ・ミッチーニ

「コンチェルト」
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィッチ
アグネス・スー、クリーメンス・フルーリッヒ

「眠れる森の美女」より グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリシア・ハイデ(マリウス・プティパに基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
マッケンジー・ブラウン、デヴィッド・ムーア

─ 第2部 ─

「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
ピアノ演奏:菊池洋子
エリサ・バデネス、デヴィッド・ムーア

「やすらぎの地」(新作世界初演)
振付:アレッサンドロ・ジャクイント
音楽:ヤイール・エラザール・グロットマン、ライ

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03月19日(土)
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