ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■フランソワ・シェニョー × 麿赤兒『ゴールドシャワー』
掌を拡げて激しく踊るシェニョー。カラフルなネイルが照明に反射し、ネオンのように見える。天上から降りてきた、ベビー服にも人喰い花にも見えるビニールの衣裳(ボンネットもビブも、小さなハンドバッグもついている)に着替えて得意げなふたり、ポーズをとる。私が前よ、いや私が、とポジション争いをし、麿さんが脚をあげ、シェニョーはおしりの張りを見せつける。いやホントつやつや。綺麗だわあ。そうしておいて、シェニョーのソロでは観客に手拍子を求め煽る麿さんの包容力ににっこり。
下駄履きで踊っても揺らがないのはシェニョーの身体も同様。ふたりはその存在感に加え、しっかりと身につけたバレエの技巧、年月を重ね切り拓いてきた舞踏のスペクタクルという、物語る身体を持っている。雅楽、バロック、トライバル、シャンソン、わらべ歌と音楽も雑種で素敵、ご両人の歌声も聴けました。てか麿さんがあんなに唄うの初めて聴いた。上手い(今更)。音響(オペレーター:ニコラ・アド、コーディネーター:油本望)もよく、最初はライヴ演奏なのかと思った程でした。
引用は『8 1/2』くらいしか判らなかったけれど、ギリシャ神話の“ゴールドシャワー=黄金の雨”はシェニョーのブロンドと麿さんの黄色い髪(どちらもウィッグ)に、そして爆笑が起こった連れションシーンで“尿”へと昇華。シェニョーから麿さんへ、キスで贈られるルージュ。麿さんの腕のなかで眠りにつくシェニョー。猥雑で美しい、夢のような70分間。
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・“7年に及ぶ秘密の関係”を経て立ち上がる、シェニョー×麿「ゴールドシャワー」┃ステージナタリー
・フランソワ・シェニョー×麿 赤兒 「ゴールドシャワー」┃滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
「プロジェクトの総称を『妙(MYO, TAE)』と名付けたい。(略)『妙』(MYO:不思議なほど優れている、TAE:言葉では言い表せないほどの素晴らしさ)の一言で片が付くのだ。言い方を変えれば、ロートレアモンが言う『解剖台の上での、ミシンとこうもり傘』の様とも言える。」
SePTの作品紹介頁には掲載されていなかった麿さんのメッセージが興味深い
昨日はスタンディングの熱い拍手に包まれて東京公演が終了しました!!
次はびわ湖ホールでお会いしましょう!!
2021/10/23(土)開場14:00 開演15:00
「ゴールドシャワー」
構想・出演:フランソワ・シェニョー、麿 赤兒
会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホールhttps://t.co/kis8YaJVLt pic.twitter.com/VufCu4ozGe— 鉾久奈緒美 (@MUKUNAOMIrakuda) October 18, 2021
ハァ〜いい画像
10月17日(日)
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