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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■BÉJART BALLET LAUSANNE JAPAN TOUR 2021『人はいつでも夢想する』『ブレルとバルバラ』『ボレロ』
フルver.は本邦初だそうです。ジャック・ブレルとバルバラが唄うシャンソンとインタヴュー音声を通じて、男と女、愛、人生の謳歌が描かれる。当日配布のリーフレットに上記のひとことを添え、普遍の作品は変わり続ける。そして不朽の名作であり続ける。
籐椅子に留まり、自転車で風を切る。歩み寄り、ハグし、手に手をとって駆ける、ジャンプする。踊ることの喜びが伝わってくる。エリザベット・ロスとガブリエル・アレナス・ルイズを筆頭に、ダンサーたちは生きることがなんて楽しい、なんて美しい、なんて幸せな時間なのだということを見せてくれる。肉体が滅んでも、その思いは残る。
「愛しかない時」のウィンテン・ギリアムズと大橋真理のパ・ド・ドゥがとても素敵だった。ツイートにも書いたが、ベジャールのダンサーは画一的ではない。ショートヘアの女性ダンサーも、肉感的な、痩身のダンサーもいる。勿論肌の色もさまざま。ひとは皆違う身体を持っていて、それぞれの身体で踊ることこそが“Joy”なのだということを彼らは見せてくれる。

■『ボレロ』
振付・演出:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル
装置デザイン、衣裳:モーリス・ベジャール
照明:ドミニク・ロマン
ジュリアン・ファヴローのメロディを観るのはかなり久しぶり(ジュリアンのメロディ日本初披露以来)で、当時とは違って随分柔らかな踊りになったなあなんて思っていた。しかしやはり、終盤に向かうにつれ情熱的なメロディが現れた。まさに化身。リズムに合わせて「ハッ!」と声を出す。自分を鼓舞するかのようにも、リズムを、観客を励ますかのようにも聴こえる。クライマックスであれ程声を出すメロディは初めて観た……なんて思っていたが、上記の日記を読んだら、2013年の公演でも声を出していた。書き残しておくもんだ、自分の記憶は信用出来ない。このとき「とにかく必死なので、今際の際の叫び声のようなものです(笑)」と答えていたジュリアンだけど、この日の声は確実に観客を力づけてくれるものだった。こんなメロディに率いられたらリズムも呼応するというもの。熱く、鋭く、輝くようなメロディとリズム。
暗転の瞬間、思わず出てしまった、という感じの声が客席から漏れる。これは仕方がない。コロナ禍のバレエ公演で何度注意のアナウンスがあっても絶滅しなかった、無礼なブラボーの声は飛ばなかった。カーテンコールにはジル・ロマンも登場、大きな拍手が続いた。
ていうかジュリアン、全作品に出ていてすごい……明日メロディを踊る予定のエリザベットも他の二作品に出ているし(しかも『ブレルとバルバラ』はリーディングロール)、ハードな公演です。無事終えてほしい。

観客が退場し始めた頃、幕の向こうのステージから拍手が起こった。無事公演を終えた出演者たちがステージに集まり、互いを労って歓声をあげたり拍手をするのはよくあることだ。観客たちは振り返り、見えないステージに向かって再び拍手を贈る。カーテンコールを望んでいるのではない、純粋な、自然発生した感謝と敬意の拍手だった。

あっという間の三時間。そもそも外来公演観たのっていつ以来だ? と確認したら、2019年11月のBATTLES以来だった。いやあ、やっぱりうれしいな。来てくれて本当に有難う〜! この流れが停まりませんように、次は『バレエ・フォー・ライフ』だよ!

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・モーリス・ベジャール・バレエ団 ジル・ロマン インタビュー┃NBS News ウェブマガジン
「(『人はいつでも夢想する』について)原点は私が尊敬しているジョン・ゾーンの音楽でした。彼はたくさんの素晴らしいクオリティの音楽を作っている作曲家で、彼の音楽がこのバレエの霊感の源でした。私の他の作品もそうですが、テーマは『旅』で、自分自身を内観する旅が描かれています」
「ダンサーたちのことは大好きです。でなければ一緒に活動は出来ませんし、家族のような存在です。ベテランには彼らの価値に寄り添うような役を与えたいと思っています。若いダンサーにもチャンスを与えていますし、つねにカンパニーは進化を遂げているのです」

・【小林十市、特別インタビュー】初演キャストが語る、ベジャール作品の魅力┃NBS日本舞台芸術振興会

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10月09日(土)
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