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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『KCIA 南山の部長たち』
韓国では民主化後にも、李明博〜朴槿恵政権による文化人への圧力があった。2008〜2017年なんてつい、このあいだじゃないか。ちょっと気を抜くと、自由はあっという間に奪われる。『タクシー運転手』『1987』同様、今作に実際の映像(写真)や音声が使われていることは、民主化を自分たちの力で、大きな犠牲とともに掴みとった彼らが「記録を残す」ことに意義を見出しているのかもしれません。2005年に発足した「真実・和解のための過去史整理委員会」の存在も大きいようです(後述リンク参照)。
「あの頃は良かった」という日本語を合言葉に革命を振り返ったり、情報の漏れた先がサンデー毎日だったりと、「46才から上の人は日本語がしゃべれる」(1980年当時。YMO「Seoul Music」より)韓国と日本の関係についてもいろいろ考えさせられました。「統治」とは何に、誰によって成されるものなのか。逆に今の日本は当時の韓国みたいになってないか? とも。保守ってこんなもんだったっけ、と昭和時代を知っている世代は今の与党を見て思うのでした。つらしま。
金管の低音ロングトーンで不穏な空気を醸し出す映画音楽のことを、勝手にハンス・ジマーからのヨハン・ヨハンソンマナーと呼んでいる。今回のチョ・ヨンウクによるスコアは正にそれで、すごく合っていました。OSTも出ています。
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このスチール(このシーン本編にあったっけ?)、本編観たあとだとクるなー。当初は皆同じ理想を持って革命に臨んだ同志だったのにねっていう…… #KCIA南山の部長たち pic.twitter.com/vK7q0PiAeO― kai (@flower_lens) January 24, 2021
政治家になる、というか国を治めようとするからには、最初は志があったんだろうにね。虚しい
・KCIA 南山の部長たち┃輝国山人の韓国映画
詳細なクレジット。いつもお世話になっております!
・チョ・ヨンウクの映画作品┃MOVIE WALKER PRESS
あれもこれもそれもじゃないか。『新しき世界』もこのひとだったか! 本国では大御所映画音楽家なのかな?
・パリでの暗殺。実際はどうだったのかなーと探してみたら日本語Wikiにあった→(金炯旭)。これだと「山野に遺棄」ってことになってるけど、映画の描写はもっと…その……エグかったですね……。証拠を残さないようにってなるとあの方法のが確実だが。そして映画ではKCIAと警護室の取り合いになっていたが、上記Wikiでも言及されている通り警護室が手を下した説もあるようです。でも前者だろうなあ、わざわざフランスから韓国に連れ戻して、というのは現実性が低い
・『KCIA 南山の部長たち』の背景にある、2つの大きな事件――「暴露本」と「寵愛」をめぐる物語┃ サイゾーウーマン
「養鶏場で殺した」という証言も。「真実・和解のための過去史整理委員会(過去史委)」についてはこちらに解説があります
・金忠植『実録KCIA―「南山と呼ばれた男たち」』
日本でもベストセラーになったという原作。読んでみたいんだけど、1994年刊で現在では入手困難のようです。これを機に文庫化とかされないかな
01月24日(日)
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