ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■横浜の『M』
黛敏郎の知識が自分には乏しく、音楽についての感想をあまり書けないのが残念。しかしこの十年、桜が散る場面のピアノ曲(『トリスタンとイゾルデ』の「愛の死」)は忘れることがなかった。それにしても、26列目からでもダンサーたちの息づかいが聴こえたのには驚いた。あれだけのプリンシパルが総出で、出ずっぱりで、踊りっぱなし。観る側は眼福でたまらないのだが、ダンサーは違う意味でたまらないだろう(笑)。ベジャールの鬼振付よ……と畏怖の念を抱く。

コロナの第三波が迫るなか、席は千鳥配置。席を減らしてのチケット発売、その後状況を見乍ら追加席を販売していったようですが……記念公演でもあるので満席でダンサーたちを迎えたかった。手が痛くなる迄拍手しました。この作品が次に舞台に載るとき、客席が多くの観客で埋まっていることを願うばかりです。

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【急遽決定】#東京バレエ団 #ベジャール 振付「M」。このたび、東京公演を収録した全編映像を有料配信することが決定しました! #三島由紀夫 の50回目の命日である11/25(水)より配信いたします(海外からも視聴可能)。詳細はコチラのページでご確認ください。https://t.co/1cyoMoNGoj pic.twitter.com/LxPP6BXn2N― TheTokyoBallet (@TheTokyoBallet) November 16, 2020
配信も楽しみ。神奈川公演の映像も一部使われるそうです。トレイラーの通り、引きの画の美しさは映像でも映えると思う

・この配信、海外からでも観られるそうだから是非ジェイムズにだな……誰か伝えて〜

・「M」 三島への鎮魂歌 - 東京バレエ団┃鳥酉Ballet日記
「“死”でありながら少年の死を悼まずにはいられないのは彼の若さ故か!?」
「樋口セバスチャンは首藤さんの官能性は全く追求しない。三島が求めた男性性と女性性を無理なく出して、セバスチャン自身が第五の三島となった。」
「没後50年が経ち、群舞にも生々しさはなくなり、聖VS俗の構図は薄れた。最初と最後の菩薩九人が並ぶ海は涅槃と繋がる豊饒の海。三島の神聖化が進み、鎮魂歌へと昇華した舞台で、《生命の円環》《エロス&タナトス》の深淵を導き出した菊池洋子さんのピアノ演奏が圧巻だった。」
東京公演のレヴュー。頷きすぎて首がもげそう

・この上なくベジャール的な三島由紀夫解釈 モーリス・ベジャール振付『M』(東京バレエ団)┃下降の旋律
「ベジャールの美学と三島の美学はどうも正反対のように思えてなりません。前者は生命力への肯定的な信仰であり、後者は美しき生命への破壊欲です。」
「しかしこれがベジャールマジックで、少なくとも私の三島由紀夫解釈と異なるバレエを提示されているにもかかわらず、『M』は独立した作品として完璧に完成されているがゆえに心底魅せられてしまいます。」
こちらも東京公演のレヴュー。膝を打ちすぎて脱臼しそう

11月21日(土)
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