ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■ねずみの三銃士『獣道一直線!!!』
「こんな女」の魅力に気付かないドキュメンタリー作家の末路に、溜飲を下げる。同時にハッとする。ものごとを一面からしか見ることが出来ず、己の見識に疑いを持たない。自分はそうではないといえるか? 私は違うといえるか? いえるわけがない。役者たちは演じることで、常に疑いをつきつける。舞台に掲げられた三人の役者の肖像写真は遺影にも見えた。何があっても演じると腹を決めた役者の顔。を、演じる役者の顔。彼らに「好きなひとは相変わらず好きで観にくるみたいだしさ、」という台詞(観客への愛情表現にも感じた)を投げるクドカンの、そして板の上の役者を最高に無様に、最高に神々しくブチ上げる河原さんの、芝居への意気。その粋! 芝居で生きていく者たちが舞台に載せたものを、こちらも存分に楽しみました。あー面白かった!
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それにしても、このひとたちの芝居で観劇人生歩んできたので自分が死ぬときあーこのひとたちの芝居を観られる時代に生きられてよかったなあと思うんだろうなあと、客出しの渋さ知らズを聴きながらさめざめ泣いた(弱っている)― kai (@flower_lens) October 17, 2020
「自分が死ぬとき」とツイートしたが、同時に「この三人が死んだとき」とも思った。「このひとの芝居を観られる時代に生きててよかった」。縁起でもないがいつかは来ることだ。彼らが先か、自分が先か、それはまだ判らない。
・古田さんの「バイパス手術の跡が〜」という台詞に笑いつつもドキッとした。ご本人もインタヴューで話しているので隠している訳でもないだろう、2011年(しかも3月11日)に手術をしている。そのすぐあとの『たいこどんどん』はとても愛すべき仕上がりだったが、古田さんの体調が万全だったら? と思わずにはいられない部分があった。蜷川さんはあっちに行ってしまったけれど、再演をあっちで、というのはまだ待ってほしい
・ちなみに渋さ知らズ「Naadam」はねずみの三銃士では恒例の客出しです。反射で泣くわ。特に今年はフェスがなかったし
・そうそう、今でもああいう形でネタにされてる蜷川さんって愛されてるなあと思いました。あのタイプの灰皿(あれを皿といっていいのか)は蜷川さんでも投げませんて。てか蜷川さん細いからきっと持てないし投げられない(笑)。泣き笑い
・この濃いメンツのなかで山本美月、好演。角刈り最高
10月17日(土)
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