ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『杮葺落四月大歌舞伎』初日
まず絨毯のふっかふかっぷりに感動しましたよね…足が沈む……ヒールのひととか気を付けないと足取られそう。木挽町広場から入口からすごい数の報道陣がいたが、場内でもそれは同じ。レポーター、カメラマン、隅に座り込んでPCから画像を転送したり記事を書いている記者。ニュースや新聞も楽しみだな。専門誌の記事もいいけれど、ニュースや新聞による記事って、舞台の周辺にいる裏方や観客の様子に焦点をあて、対象がどんなふうに世の中に存在しているか多角的に知ることが出来る。そういうところが好きです。
ようやく三階席に辿り着くとおっ、山川静夫さん。長年三階席の常連でもある山川さん、取材を受けるためか休憩時間は必ずロビーにいらっしゃいました。帰宅して夕刊を開いたら早速記事が載っていた(『朝日新聞デジタル:元NHK・山川静夫さん「空間広がる」歌舞伎座再開場』)。
席に着いて深呼吸、場内を見渡す。五分前のアナウンス、慌ただしく席へと向かう一階席のひとたちを眺める。一瞬の静けさ、幕が揺らいだと同時に「待ってました!!!」「歌舞伎座!!!」怒濤の大向こう。
大向こうの多さ大きさはそりゃもうすごいもんでした。また声が通る。エコーやディレイがかかっているかのように響く。もうこの時点で鳥肌です。なんと言うか、新しい歌舞伎座が開くのを待っていたひとたちの気持ちみたいなものが、肌で感じられたように思いました。人数の多さだけでなく、ここにはいないひとたちの思いも乗っかってるような。
『壽祝歌舞伎華彩(ことぶきいわうかぶきのいろどり)鶴寿千歳』。魁春さんと怪我から復帰した染五郎さんが踊ります。うはーこの間口の広さ!その横幅広い舞台にふたりきりで立ってこの存在感!三階席なのでセリが下がるのが見える。お、ここから…?と待っているときたー鶴に扮した藤十郎さん。万雷の拍手。「人間国宝が三人、大看板がふたり」世を去り、想像出来ぬ程のご心痛もあったのではないかと思います。真女形筆頭の舞を厳かな気持ちで観る。鶴は花道で一度立ち止まり、場内を見渡し、上階の客席にもぐるりと視線を巡らし、拍手のなかゆったり去っていきました。鶴の寿歌で五代目歌舞伎座の幕開けです。
短い休憩を挟んで『十八世中村勘三郎に捧ぐ お祭り(おまつり)』、泣き過ぎて小山三さんを見逃すと言う痛恨のエラー(帰宅後ニュース映像で確認しました…)。しかし彌十郎さんと新悟くんはしっかと見たわー素敵だったわー。ふたりとも身長あるからぱっと目が行くし。ああん彌十郎さん素敵!格好いい!声も素敵!女形としての成長著しく、おとうさんが拗ねちゃってる(笑)新悟くんも素敵よ!
いやだっでざ…だだでざえ中村屋一門がどーんといるその光景だけでもううっどなっだのに、花道方面からどよめきが聞こえたので(三階席から見える花道は舞台寄り数メートルです。しかし確かに以前より見える!)勘九郎くんと七之助くんだね…と思って、視界に入るのを待っていたらちっちゃい子が…な、なーおーやーくーんー!!!これはサプライズ…二歳ですよ、二歳。いや期待してなかった訳ではないけど、実際のとこ舞台に立つのはあと一年後くらいかなと思ってて…それが。それが。この辺りから客席のあちこちから鼻をすする音が…勘三郎さんが生きていたら演じたであろう鳶頭を演じる三津五郎さんが「十八代目も喜んでいることでしょう」、勘九郎くんが「倅の七緒八をつれてきました」と言うと早速チビちゃんに「中村屋!」と声が掛かり、続いて「まああ」「ほおお」と言う声が上がる。このあと入れ替わり立ち代わりの踊り合戦が始まるのですが、いやはや七緒八くん落ち着いてるわ。縁台に座って持った扇子をゆらゆらさせて、踊る役者たちを見ている。勘九郎くんが踊ってるときは「おとうさんなにやってんの」みたいな表情で見てて、それを隣で見守っている七之助くんがおかあさんみたいだった(笑)。配役表に名前なかったけど(そりゃそうか)全日出るのかな?
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04月02日(火)
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