ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
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■全女関西・準々決勝
大体大の選手名は確認できず。コーチングの声は大きいのだが周囲の会話の声にかき消されて良く聞こえなかった。中盤・最終ラインともフラットでラインコントロールをきっちりこなす。主将の7番(多分江橋)がFKを蹴る。CBはともにレフティー。ゾーンディフェンスを理解しているチームは女子の場合このレベルでも稀だが、大体大はそのうちの1チームとなった模様。少し前まで「蹴って走る」チームだったが劇的に進化しており驚いた。

啓明はストッパーが相手2トップに張り付く古典的マンマーク。主将の源内がスイーパー。中盤も下がりカウンター狙い。鶴岡が左利きのテクニシャン。

開始から身体能力に優る大体大が押し込む。啓明も良く鍛えられているが、先天的能力の差が大きく、フィジカルをベースにした啓明にとっては相性が悪そうだ。ショートパスひとつとってもパススピードが違いすぎる。また啓明のロングボールもパワーに優る大体大が悉く競り勝つ。2分、大体大10番が右サイドペナ少し外でワザとらしいダイビング。しかしやや力不足だった女性主審はあっさり騙されFKを与える。副審の10m先での出来事だったが、なんとその副審も気づかない。すぐに主審の力量を見抜いた大体大が時にはファウルを交えた当たりの強さで中盤を抑えゲームを支配する。10番はスピードとキレあるドリブル突破を再三披露。SHも速い。啓明も鶴岡は高い技術とキック力を武器にパスで打開しようとするが、FWとの距離が長く大体大の細かいラインコントロールもあって決定的なパスは通らない。大体大はサイド攻撃を続け啓明WBに重い負担が掛かる。29分、大体大7番の強いグラウンダーのスルーパスに9番がついにマーカーを外して抜け出し、飛び出したGK八田の上を抜くループが決まり、大体大先制。31分にはFKから25番のシュートがバーを叩く。34分には左クロスを7番がボレー、バーを叩いて下に落ちてゴールの外に出るが、判定はゴールイン。正しい判定だと思う。前半は2−0で終わった。

後半も完全に大体大ペース。6分啓明の苦し紛れのバックパスを狙っていた大体大RH25番がカット、さらに左から9番も走りこみGK八田と2対1となる。落ち着いて9番に流し、ドフリーで難なくシュートが決まる。さらに前半からの競り合いで消耗したか、啓明はこの時間帯の全接触プレーで競り負けてしまう。WBの運動量もガックリ落ち、完全に勝負はついてしまった。啓明ベンチも16分にGKを交代したのを皮切りに、試験的と思われる交代を行い、大体大も次々に入れ替える。やや大体大の緊張が緩んだ時間帯にセットプレーで啓明・鶴岡の左クロスを天満がボレーで狙うがGKセーブ。22分、啓明控えGKがゴールキックをミスし、大体大10番が持ち込んで決め、4点目。しかし24分啓明はセットプレーから松岡の右クロスを天満が後ろにそらすヘッドで決め1点返す。がほっとしたスキを逃さず大体大はキックオフから直線的に攻め、9番がフリーで決めて5−1とする。終了間際には完全にペースダウンして大体大がボールキープ。余力を残して準決勝進出を決めた。

率直なところ大体大がこんなに強いとは思わなかった。もともと身体能力頼りという印象が強く、啓明のようにある程度のフィジカルと厳しいマンマークで守るチームを上手く崩せないゲームは何度も観ているだけに、この日のスマートな現代的スタイルには驚いた。今まではいい選手が集まっている割には、啓明・日ノ本といった高校トップレベルと互角だったのだが、これは1ランク上のチームに脱皮したかもしれない。まだまだ中での繋ぎに工夫がなく、「中で溜めてから外を使う」わけではなく攻撃が単調だったが、これはこれで一つのやり方だ。

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10月12日(日)
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