ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■Darling(2)SD・流×彩?
本編書く前に・・・。
このコーナーを設けて2日、そしてここへ引っ越してから1日しか経ってませんが、メールが届きました。最大文字数がネックで閉鎖した、引越し前のレンタル日記を見てくださっていた人からです。
たった数日間だけだったのに、見ていた人がいたとは。嬉しいです。ありがとうございます、サブティンさん。(感涙)
ってわけで、張り切って(笑)続き行きます!!

**********************

 それから部活動が始まったが、みなどこか張合いがなく、ぎくしゃくしていた。
 理由は簡単である。県ナンバーワンをも狙える実力のエースが、いなくなるかもしれないからだ。
 特に、その原因を作ったらしい彩子の様子と来たら、なかった。時々思い出したかのように声援を張り上げるのだが、それがカラ元気だと言うことが常日頃ドンカンな流川でさえ、分かったくらいである。
 部員も、無意識のうちに彩子を遠巻きにして、腫れ物に触るように扱っていた。

(ナンか・・・静かだ)
 そのうちお待ちかねの練習試合が始まったのだが、流川はどこか拍子抜けした感触を覚える。
 試合に参加していない人間は応援に回っている。それぞれ自分の好きなチームへ、激を飛ばしている。そして誰かがナイスシュートを決めると、大歓声に変わる。いつもながらの光景だ。
 なのに。
 いつもと何処か違う、そう流川は感じていた。だからと言って、試合への集中力を欠くわけではない辺り、彼らしくはあるが。
 ───ただ、シュートを決めたり、ボールがコートからそれたり、そういった試合の合間合間に、その違和感が流川に付いて回っていた事は否めない・・・。

 と、ちょうどボールが流川の方へ飛んで来た。ラインぎりぎりにいたため、飛びついてもどうやら味方にパスできそうにない。
「ちっ」
 とっさに彼は、ボールを追いかけて来た敵方の選手のバッシュ、めがけてボールをはたく。こう言う時の常套手段である。
 狙いはまんまと当たり、味方ボールとなる。一番近くにいた流川のスローインとなり、コートの外へボールを取りに行った彼の耳に、ふと飛び込んできた声があった。

「ほら、マネージャー。いつもみたいに元気な声出してくれよ。な?」

 ───キャプテン・二階堂の声だ。話しかけている相手は・・・言うまでもない。
(・・・そっか・・・)
 流川が気付いていなかっただけなのだ。いつもだったらいい加減なプレイには叱咤を、そしてガッツプレイには称賛の声援を、きっと彩子は送っていたということなのだろう。
 今はそれがない。そしてそのことを物足りない、と感じていたと言う事は、流川にとって彩子の声援は決して、耳障りなものではなかったのだ。
 他の大勢の女子生徒の、黄色い声援とは違って。
「・・・・・」
 ふう、とため息を1つ。そして流川は試合に集中した。



「流川、悪いけどちょっと顔貸してくれないか?」
 部活終了後である。同級生と一緒に後片付けをしていた流川は、二階堂の声に手元を止めた。
「・・・話があるんだ。生徒指導室まで来てくれ」
 多分、塚本のことであろう。即座に頷き、彼の後に付いて行く。
 そして生徒指導室の近くまで来たところ、数人の男子生徒が彼らの横を足早に通り過ぎて行く。二階堂と目配せなどしていたから、バスケ部の人間だろうか。
「こらこら、付いてくるんじゃねえよ、見世物じゃあねえんだからよ」
 その男子生徒たちは廊下の途中で立ちふさがり、いつの間にか流川の後を追って来たバスケ部員とおぼしき人々を、牽制していた。
「・・・デリケートな話だからね。第三者に聞かれたり、下手に介入されては根本的な解決にはならないだろう?」
 流川の疑問に答えるように、苦笑いを浮かべる二階堂。なかなかにして、キレる男のようだ。

「失礼します」
 生徒指導室には、2人の先客がいた。1人はバスケ部の顧問の教師で、もう1人は彩子である。
 教師の方は、二階堂の挨拶に黙って頷いていたが、
「る、流川!?どうして流川を連れてきたんですか?キャプテン」

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09月03日(月)
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