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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■春の香は碧 【鳴門】 中編
そうでなくても、もともと体術使いは直接的な攻撃な分、ダメージもまともに食らってしまうのだから。
『・・・今年はもう、例のものは作ってやれないなあ・・・』
味気ない病院食に、記憶が刺激されたのか。ボソリ、と呟くガイ。
『命あってのものだね、だろ? 店長も分かってくれるんじゃないの』
『そうは言っても、この機会を逃したら、次は1年後だ。それも、作ってやれるかどうか、約束できるものでもないし』
悔しそうに呻くガイの横顔を見ながら、カカシは改めて確信する。
やはりガイにとっても、フキノトウの焼き味噌は、平和な春の訪れの証だったのだ、と言うことを。
あれだけ渋々、と言う体を装いながら。
まるで、分かる者には分かる、合言葉のように。
だからこそ、店を訪れた多くの客が、店長の作ったものより、ガイのものを好んだのではないか。
『・・・あのさ。妙にこだわるよね。親父さんの好物だ、って言ってたけど、ダイさんはひょっとして毎年作ってたわけ?』
『言われて見れば・・・そうだったな。下忍止まりだったから、よほどのことがない限りめったな任務は回ってこなかったらしい。ほぼ毎年、食ってたっけ・・・』
その思い出故に、毎年の春の風物詩として、ガイは覚えているのかもしれない。子供の頃の出来事は、1年1年が全て大切な宝物なのだから。
『・・・現状を嘆いても仕方がない。もっと俺が、強くなれば良いだけの話だなっ』
退院したら早速修行せねば、と。
ガイが出した結論は結局、呆れるくらいいつも通りのポジティブなものだった。
■続く■
※スミマセン・・・後編まであります・・・
04月16日(木)
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