ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■天才ってヤツは・・・ モン◎ーターン

「君には君の良さがあるし、他人のやり方を真似しようったって、身につかないのが普通なんだ。
天才を模倣しようなんて、止めておいた方が身のためだからね?」

 ・・・イヤ、別に真似しようなんて考えていたわけじゃ、ないんですけど。

「そら、どう言う意味じゃ榎木。なーんか引っかかる言い方やのお」
「一足飛びに蒲生さんみたいになろうなんて、常人には不可能だ、って言う意味ですよ。時々分かってない若手がいるからなあ・・・」
「『艇王』のお前が言うても、説得力がないんと違うかあ?」
「俺はれっきとした努力型ですよ。蒲生さんを模倣しようなんて、そんなの恐れ多くって」
「だーかーら、そういう言い方が引っかかる、っちゅうんじゃ」
「誉めてるんですけどね、一応」


 やいのやいの、と蒲生さんが榎木さん相手にじゃれてる(失礼かもしれないけど、そうとしか見えないのは何で??)のを尻目に、僕はついため息をつかずにはいられなかった。


 榎木さん。僕は絶対、大丈夫ですって。
 だって、さっきから聞いていて、所謂「天才」ってヤツには絶対、ついていけないって思いましたもん。努力が一番ですって、うん。

「? 何だよ純。俺の顔に何か付いてるか?」
「何でもないよ。たださ、『天才じゃない人間』と『普通の人間』って、同じじゃないよねって思って」
「は?」

 そう。僕は普通の人間だ。だけど努力だってしているし、ちゃんとコツコツと上達もしている。
 蒲生さんや、あるいは波多野くんたちとは違った道のりでも、きっと勝利はつかめると思うんだ。

「いつか追いついて見せるからね、波多野くん」
「???」

 誰のものでもない、僕のやり方で。

《終》


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※何やら最後が、純の青春譚のよーな。ま、いいか。
ちなみにVHSが何たるかを知らなかった蒲生さんですが、別にビデオのことまで知らなかったわけじゃないです。単にビデオが「VHS」と呼ばれているのを、知らなかっただけですんで。念のため。(かつてのち☆ がそうだったんで)

11月28日(月)
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