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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■茂保衛門様 快刀乱麻!(12)外法帖
ヒャアアアアッ・・・!
さすがに一刀両断とまではいかなかったものの、それでも何とか鬼火は悲鳴を上げて消えていった。
だけど、彼の上司であるあたしはと言えば、正直言ってへっぴり腰も良いところ。
いくら『炎と言う外見に惑わされるな』って助言されたって、炎は炎なのよ。熱いし、近付いただけでチリチリとした痛みに似た感触に、つい体が逃げてしまう。
その消極的さがマズかったみたいだわ。
ガクッ☆
「きゃあっ!?」
足元が不安定な場所での斬り合いに、後ずさった足が滑ってしまう。その弾みでこともあろうに、持っていた刀を床に落としてしまったのだ。大慌てで刀を拾おうと屈んだあたしの背中に、熱い空気が襲いかかる───!
『飛水十字!!』
その時だった。凛とした声と共に、どこからともなく飛んで来た苦無手裏剣が、鬼火をしとめたのは。
シュウウウウウ・・・。
まるで水をかけられたかのような蒸気を発し、鬼火は見る見るうちに消えていく。
呆気に取られたあたしの目前にはいつしか、見覚えのあるやけに露出度が高い着物を身に付けた女人の背中があった。まるで、鬼火からあたしを庇っているかのように・・・。
「あ、あんたは・・・」
「ご無事ですか、榊様」
振り返った涼しげな顔は、まさに《龍閃組》の涼浬のものだった。
《続》
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※ああ・・・こんなに進行具合がトロいとは。予定ではもっと、話が進むはずだったんですけどね。これ以上更新が遅れるのもなんですので、今日はこの辺りで終わっておこうっと。
ところで、今回何が苦労したかって、《鬼道衆》の3人の戦闘法です。澳継はともかくも、九桐と桔梗の2人ってば、鬼火に有効な『水』属性の技、何も持っていないんですもん(汗)。『水』属性の武器や、九桐の『龍蔵院奥義・胤影』を活用することも考えたんですが、あまりに唐突ですからねえ。ま、そのせいで思い切り苦戦した、って説明は付くからいいか・・・。
さて次回は、おそらくは皆様も想像が付いているであろう、《鬼道衆》と《龍閃組》の共同戦線とあいなります。ややこしいことになること、疑いないなあ(苦笑)。とりあえず今は、ウソップの長編SS書いてかからないと。では、次回またお会いしましょうv
03月20日(木)
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