ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■Darling(2)SD・流×彩?
 その点、二階堂は確かに理性的である。事情を知らない部員たちが彩子に一方的に詰め寄った時でも、何とか間に入ろうとしていたではないか。

「新キャプテン人事にしても、どうやら塚本くんが裏で扇動していたらしい。私の顧問としての権限で、何とか二階堂くんをキャプテンにすることが出来たんだが・・・その際、彼が私に何と言ったかと思う? 『どうして実力も人気もない奴に、俺が負けなきゃいけないんだ!!』だよ」
 ───つまり塚本と言う生徒は、キャプテン人事を人気投票か何かと勘違いしてしまっていた、と言う事なのだ。本末転倒と言うしか、ない。
「『別に負けたわけではないだろう、二階堂くんと一緒に部をもりたてていけばいいだけの話だ。実質上エースは君だろう』と言って、その場は収まったんだがね・・・」
「まさか今度は、チームのエースってものをステイタス扱いにするなんてね・・・。あいつらしいって言えば、らしいんだけど・・・」
 頭が痛いよ、と唸る二階堂。
 流川と彩子は、何とも複雑な気分になって顔を見合わせた。


「話は良くわかったよ。とりあえず、塚本の退部届けは保留扱いにしておく。あいつが彩子君に謝った上で戻って来たいって言うなら、いつでも受け入れる体制だ」
「・・・」
「そんな顔をするなよ、流川。確かにあいつに問題があるのは事実だけど、チームにとってはなくてはならない存在だ。それに、彩子くんにとってもこのままやめられたんじゃ、後味が悪いだろ?」
「・・・悪いです。すごく。それに塚本先輩、バスケが好きなのには違いないから・・・」
「・・・」
「断っておくけど、今話した事は現段階では他言無用だからな、流川。お前たちの言い分を信じない連中も多いんだ。下手をすればそれこそ感情論になって、冷静な意見がどこかへ飛んで行ってしまう。・・・そうなるとかえって厄介だ。彩子君の意思なんてどうでもいい、なんて無神経な話が出てこないとも限らないだろ?」
 しぶしぶ流川は頷いた。集団ヒステリーに巻き込まれるのはゴメンだし、考えるのも面倒くさい。


(続)

09月03日(月)
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