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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■神経衰弱〜トレランス旗揚げ公演〜
これは、江戸で観てきたお芝居です。難しいです。ただでさえ、かいつまんだり、ポイント押さえて観劇日記の書けない私ですが、これは、難題です。
時間軸でいきましょう。まず、トレランス「神経衰弱」公演を知る。しばらくして、「フロイト派の精神分析医に通う占い師、彼女は話し出したら止まらないことを除けば、親切で愛嬌もある、しかし、束縛的愛情癖のために男に逃げられる。同じ分析医に通う妄想癖の強い小説家は、だらしなさから三度の離婚。ある日、スランプの小説家は占い師に偶然みてもらい、『神経衰弱』というタイトルの私小説を書く。ベストセラーになるが元妻たちに訴えられ、自殺志願・・・死のうとしたそのとき、ユングの亡霊が現れて・・・」というだいたいこんな芝居かな・・・っていうのを知る。(「話し出したら止まらない」・・・・妙に心に残る私・・・むむむ)
役者さんの情報などから「いいしあがりになっている」「セルフセンス」というカラーヒーリングの専門家などの協力も得ている、彼女たちも絶賛している。そんなことを耳にして、迎えた本番。
私は異常にドキドキしていた。もちろん、芝居をあまり見ない連れが「芝居ておもしろいね」って反応をしてくれるお芝居に私は誘えたのか・・・まだはじまりもしないのに、なんだか、気になる。それはつまり、私は、「全くわからない」状態で芝居をみているのに、やたら、気持入れ込んでる役者が気持入れ込んで芝居つくったわけだから、ってこともあるだろう。身内でもなんでもない、一ファンなのにさ、緊張しすぎだよ、私。
はじまっても、私は見ながらドキドキしつづけていた。旗揚げ初日だといっても、よくこんな専門用語羅列の小難しい芝居をしようと思ったなーというのと、だからって、ちょっと「かんで」ない?「間」どうだった?とか・・・もちろん、かんでるのか、セリフ忘れたのか、演技なのか、わからないような精神科医役の陰山さんは、その微妙さがステキだし。チャルくんは結構頑張ってる。KONTAは生でサックスをやるのだが、カッコいい、BGMできっかけで、芝居の一部で・・・。セリフを話すと、カツゼツが悪くて、聞き取りにくいんだけど、独特の声がユングの亡霊にはあってたかも。長野さん以外の女優さんは、私ははじめてだが、明樹由佳さん他、とても魅力的だった。そして、里美さん。彼女はキュートだ、うまい。でも、この役はちょっとなんかの役を思い出しかねない・・・という出だし。演出もやってる上杉さん。どうなんだろう、小劇場的ギャグとか、「残念だーこれが関西ならトラ狂の嫁をもらった悲劇(?)とか、もっとリアリティーがあって受け入れられたろうに・・・」とか、なくてよかったんじゃないの的過剰演出とか思ったりもした。この物語を書いた本人でもあるんだけれど、どこにどうもっていきたいの?とか、心配になってくる。でも、以前江戸日記でも触れたが、彼は、空間の中で体だけで表現する時の手、視線、空気感、全てがうまい。昔はただ荒々しい、粗野な感じが大きくて、その中に微妙な繊細さを感じる時と、荒々しさを押さえてるのね、と感じる時とがあった。でも、今回久し振りに見て、バランスがいいし、私の言葉ではこれ以上今、思い浮かばないのだが、本当に上手い役者だなぁ、と思った。
って、役者本意で見てしまったり、この物語の始まりと終わり、それを伝えるために、上杉という演出家が用意した演出プランと、舞台構成。そんなものが気になりすぎた。それは、別に私がこういう演劇日記をあとで書こうとか、思ってるからではないと思う。いいことか悪いことかわからないけれど、そういうところも気になったりするようになったってことだと思う。それが成長とかたくさん芝居を見れるようになったからとかも思ってない。上杉&長野ユニット旗揚げ、っていうスゴイことが、観るだけの私にも重圧があったのかもしれない。この難しいストーリーを洩れなく、受け止めなければ・・・。とか?
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06月02日(日)
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